チョコレートな君

□あいつが、いなくなるだけ
1ページ/1ページ





あれから2日がたった。
明日、名前は日本へ帰る。


「警察庁長官、タキムラをさらえ」


俺はデスノートに近づくために動き出していた。
名前は俺がデスノートに関係していることも知らなければ、デスノート自体知らない。
俺がデスノートやマフィアに関することをする時は名前に部屋から出ないように言ってあったから。
テレビなどの外部から情報が入ってくるものは見せなかったから。


―――俺が自由を奪っていたから。


でも、明日からは違う。
マフィアとの関係も無くなる。
もちろん、俺との関係も。


今からデスノートに近づく俺の傍にいれば危害が及ぶに決まっている。
最悪の場合"死"だ。
それだけは絶対に避けたかった。



明日から名前は自由だ。




それなのに、


名前は何故泣いていた?
あの夜から名前が泣いている顔が頭をよぎる。


「何をぼっとしてんだ、メロ」


ロッドに話しかけられてハッとする。



「考え事してるだけだ、黙ってろ」


まただ。
考え事をして気が付くと名前のことを考えてる。


「…重症だな」


いつだったか、名前にもこの言葉を言った。
名前が来てからというもの今思えば時間が早く過ぎていた気がする。


「なに?」


ロッドがそんな俺を睨む。



「……いや、キタムラを監禁する部屋を用意させておけ」


いつものようにチョコを食べながら命令を出す。
いつもと変わらない日常。
そう、いつもと変わらないんだ。


ただ、


あいつが、いなくなるだけ
(名前がいない、それが日常になっていくなんて)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ