チョコレートな君

□ふざけるな
1ページ/1ページ






「はあ……」


静かな部屋に私のため息だけが響く。

あれからメロには会ってない。
避けられていると感じるのは私だけなのだろうか。
いや、違うと思う。
完全にメロは私を避けている。

あれから部屋には1度も帰ってこない。
しかも、部下(?)の人に私を部屋から出さないように言ってるし。

メロは私を完全に避けている。
クラスに必ず1人はいるいじめっ子の女子かっ!ってツッコみたくなるくらい。


「で、あなたは何をしているの?」


目の前で黙々と作業をしている男を睨む。
男はよく見ると以前から私に毎回ご飯を届けてくれる人だった。


「明日、日本に帰られるということなので…」

「うん」

「ボスに荷物を片づけるように言われて…」

「うん」

「片づけてます」

「ふーん」


大きいスーツケースに私が今までロッドに買ってもらっていた服やら本やらが次々と詰め込まれていく。
流石に下着くらいは自分で入れたいかなと思い始めた頃。


「ねぇ、メロって今何してる?」

考えていることとは全く違うことが無意識に言葉になって口から出ていた。


「しゃべるなと言われているので…」

「しゃべっちゃいけないほど悪いことしてるの?」

「それは……」


私のその一言に男が顔をしかめる。


「言わないと、ロッドにあなたに泣かされたって言ってやる」


我ながらそれは可哀想だなと思ったし、
それでも口を割らなかったら諦めようと思ったけど
男はしぶしぶという感じで話し始めた。
















「…ふざけるな」


私は男の話を最後まで聞いて呟いた。







ふざけるな
(メロは今、下手をすると命に関わることをしている)
(多分、名前を帰国させようとするのもデスノートから遠ざけるためだ)
(名前が危険な目に合わないように)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ