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□あのときから
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「ソウ、あそぼ」
「レッド?お前から遊ぼうとか珍しいこともあるんだな」
まあいい、あがれよ。
そう言ってレッドを自宅へと招き入れるなり、
近所の子供であるまだ小さいレッドはギュ、と俺の腰に抱きついてきた。
「?どうし、・・・っ」
「ねえ、ソウ」
人って死んだらどうなっちゃうの?
真っ赤な大きな瞳が俺を貫く。
なんだ、この痛みは。
ジクジクと腹が痛み、何かが俺の中から抜け落ちていくような感覚に俺は目を見ひらく。
まだ何も知らないようなレッドの瞳を見つめ俺は苦痛に眉をしかめた。
「レッド・・・おま、え・・・何を、」
「僕がソウをしなせたら、ソウは僕だけに見えるようになるの」
なるわけ、ないだろ?
ガクンと膝から力が抜け落ち、すぐに近くにある机に寄りかかった。
レッドは未だに俺を見つめたまま腰から手を離そうとしない。
レッドの密着しているところは、なぜだか赤く染まっていた。
「レッド、いい子だから、誰か、呼んできてくれ、」
味わったことのない激痛に息が荒くなる。
うまく、呼吸ができない。頭に霞がかかるように何も考えられなくなるのは血が巡りまわっていないからだろうか。
俺は、死ぬのだろうか。
レッドはそんな俺の様子をボウと見つめるとふるふると首を横に振った。
なんで、こぼれる様に俺の口から言葉が落ちる。
レッドは口を開こうとしなかった。
「レ、・・・ド」
なんで、どうしてだよ。
今までいっぱい、たくさん遊んでやっただろ?
お前とグリーンのことを弟みたいに可愛がって。
毎日のように遊びに来るお前らを口先ではイヤだといいながらも、本当に・・・可愛がって。
可愛くて、この小さな子供を守りたいと思って。
「なん・・・で、」
ポロリと何かが瞳から落ちる。
レッドが何か呟いたけれど、俺は聞き取ることができず、意識は暗い闇の中へ落ちていった。
「ソウは、僕だけに見えてればいいんだよ」
無邪気に、言う子供。
その後にまつものは、ただの後悔
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