妄想白書

□ある日の夜
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とある都市に住む、とある家庭の夜。

「なぁ飛影、式あげないか」
「式?」
「あぁ、何だかんだ言って何もしないでここまできただろ」
「まぁ、な」

急にそう切り出した躯の言い分も、確かにと言える事であった。
何も出来ずにここまできてしまった理由。それは……

「さっさとリモコンを譲れ、蔵馬」
「うるさいだまれ。オレの言うことなら何でも聞くと言ったのをもう忘れたか」
「忘れた訳では無い、忘れたのでは無く、今回ばかりは譲れないのだ」
「黄泉、大人気ないぞ。いい加減蔵馬に譲ってやったらどうだ」
「鴉、今回ばかりは助かる。だがベットには行かないからな」
「心配するな、ベットでなくても出来「死ね」


とまぁ、こいつらが転がり込んできたせいである。
もう半年も経つのだからそろそろ出て行って欲しいのだか。


多分無理だろう。
その事に関してはもう諦めている。

だからと言ってこいつらのせいで式があげられないのはしゃくだからな……。



「いつだ」
「だからそれを今決めるんだろう。オレは出来る限り近いうちが良いと思っている」
「そうだな。ちょうど1ヶ月後、なんてどうだ」
「あぁ。良いかもしれない」
「決まり、だな」


「やめろお前らは死にたいか」

ソファーに力ずくで押さえ込まれた蔵馬が必死に抵抗するが、二人は余裕の笑みを浮かべるばかり。しかも蔵馬の問いに対する返答は……

「「蔵馬に殺されるなら本望だ」」



その前に、こいつら何とかしないと。
すっかり頭を抱え込んだ二人であった。

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