とある隠れ変態の物語

□お昼寝は子猫に囲まれて
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ピンポーン、とチャイムが真田家に鳴り響く。
現在は十一時。時間帯的に考えて、侑里くんのお兄さんが迎えに来たのだろう。

さて、どんな素敵なお兄さんなのか、いざ行かん!!

「はい」

返事をしてがちゃりとドアを開けると、そこには長身で美人でやわらかな金髪のお兄さんらしき人。
「侑里くんのお兄さん、ですか?」
「そう。始めまして、侑斗です。尚輝お兄ちゃんって、君?」
「おにいちゃ……はい、そうです」

そうか、侑里くんはお兄さんへの電話でもそう呼んでたんだね……。
それにしても、この人が。
……本当にすってきなお兄さん、だなぁ……。この人が凄いえっちって、何だか分かる気がする。

何でって?だってこの人さっきからフェロモン垂れ流しだよ!!いや、変態とフェロモン関係ないけどさ。

昨日引き続き、外は絶好調に雨。台風は過ぎ去ったみたいだけど……。
そのせいで髪や服に少し水分が含まれていて、長いまつげにも、綺麗な色をした唇にも、いつも以上の色香が漂っているのであろう、きっと。
そんな事をぽっとしながら考えていると、突如妖艶な笑みを浮かべる侑斗さん。
びくりと心臓が跳ねる。
「確かに。侑里が言ってた通り、凄く綺麗……」

顎を指先でくいっと上げられて、視線を合わせられる。

「お前……おいしそうだな」

舌なめずりをする様子なんかも、綺麗過ぎて様になる。

「……侑斗さんの方がおいしそうですよ?」
「食べてみる?」

くすり、と笑うこの方は、確かに変態だ。下手したらオレより……いや、それは無い!!!!
それについてはオレが度を超えてるからなぁ。

それにしても。
今までは頑張って変態であるという事実を隠してきたのに、どうしてこうもこの兄弟にはあっさりバレてしまったのだろうか。
謎だ。

侑里くんについては、昨夜の事があるから仕方ないとしても。

……いやいや、何で腰に腕を回しただけで変態扱いされたんだろ。あれかな?オレも変態なので、分かりましたとかいう同族察知機能が発動したのかな?

「……とか言って」
「へ?」
「侑里がちょっとえっちって言ってたから、試したくなっただけ」

なるほど、犯人は侑里くんね。
納得。
タチが悪いなぁ、二人共。

「あ、侑里は?」
「侑里くんは昨日びしょ濡れになったのが祟ってか、少し熱をだしてしまいまして……ベットで寝てます」
「尚輝の?ベット??」
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