とある隠れ変態の物語
□今夜は素敵な夜ご飯♪
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「うわ、すげぇ雨」
「わー……この中帰るのはちょっと危険ですね」
「…………」
あの後昼ご飯をみんなで食べて、わいわいしゃべっていたのだが、盛り上がり過ぎて結局夜の六時半。雨が再来したせいで(しかもまた台風みたいな勢いの)星草(ほしぐさ)兄弟は真田家で足留めをくらっていた。
しかしこの兄弟、既に手慣れた様子で、ネコミミフードの兄は絨毯の上でごろんごろんしているし、風邪を引いた弟はベットの上で読書タイム。
「なぁ」
「はい?」
そして兄、侑斗さんは唐突に
「今日、泊めて?」
急にそう言い出されたら普通は困るのだろうが……
ほらオレ、普通じゃないからさ。もちろん
「いいですよ」
当然、もちろん、当たり前。
オレがこんな美味しいお願いを断る訳無いでしょ。
今夜も楽しい楽しいイベント……あるといいなo(`▽´)o
そして、夕食タイム。
今日の夕食は、みんな食べ盛りだから大皿に大量のお肉炒め、そして豆腐ハンバーグにベーコンとチーズのシーザーサラダ。
「うまい」 「おいしい」
侑里くんと侑斗さんがほぼ同時に言ってくれるものだから、嬉しくてくすぐったい気分になる。
「ありがとう」
思わず笑みを浮かべてしまう。
「尚輝、いい嫁になるぞ。いっそオレが」
「侑斗にぃは変態だから駄目」
「えぇ、何で!!!!お前だって変態だろ」
「侑斗にぃよりマシ」
いや、侑里くんも昨日結構凄かったけど。
思った事が通じたのか、視線が合うと侑里くんに、ふっと不適な表情をされた。
本当に何を考えてるか分からないなぁ……。まぁそういうミステリアスな所も魅力の内の一つなんだけどさ。
「尚輝お兄ちゃん」
「うん?」
「あーん」
「あーん」
あぐっ。
うん、美味しい。やっぱり侑里くんのあーんには不思議な力があるんだな。一気に美味しくなった。今夜も天使タイム♪
「何だよ、二人して。尚輝あーん」
「あーん」
あぐっ。
あれ?
侑斗さん自分で食べちゃったし!!!!
お茶目だな、と思って口を閉じると
「らから、あー」
だから、あーんと言いたいらしい。再び口を開けると、何故かあの綺麗な唇が近付いてきて――。
ぐいっと口の中にベーコンとチーズのシーザーサラダが突っ込まれる。それから少し、口腔を舌で舐め回されて
「はい、ごっくんして」
ごくっ。