とある隠れ変態の物語

□素敵な休日の後の学校も素敵だった
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「あら、真田くん、おはようございます」
「柚仔(ゆずこ)さん、おはよう。今日も綺麗だね?」
「あっ、あらぁ……」

柚仔 美結(みゆう)、柚仔財閥の一人娘、正真正銘のお嬢様だ。
彼女はどうやらオレを気に入ってくれたらしく、毎朝欠かさず挨拶をしてくれる。クラスメートに良いなぁ良いなぁとよく言われるが、オレは正直そこまで羨ましがられる理由が分からない。
ほら、オレ女性興味無いし。
綺麗だとは思うけど、ときめいたりはしない。
それだったら野郎しかいない教室の中の方が楽しいかな?
オレの通っている比等学園は女子と男子でクラスが分けられているので、教室内は野郎のみ。とっても素敵な空間だ。

「あっ、尚輝ぃおはよー」
「おはよう、舞亜」

前の席の舞亜(まいあ) 羽恋(はれん)。“女性”みたいな名前で、“女の子”みたいな容姿が舞亜の特徴。
確かにオレは男が好きだけど、野郎しかいないのはやはり華が無い。そんな教室の唯一無二な華的存在。
本人は知らないが、女性より野郎ファンの方が圧倒的に多い。

「尚輝、数学の宿題分からない所あって」
「ん、どこ?」
舞亜の出したテキストを覗き込み、解き方を思い出す。確かこれは

「あ、オレここ得意だから教えられそう」
「尚輝が得意なのは勉強全般だろー」

ぷっと頬を膨らませて舞亜は言うけれど、朝っぱらからそんな事されたって興奮するだけだから、出来れば放課後に……。

内心舞亜の可愛さに、にたにたしながら問題をちょいちょいと解いていく。

「はい、出来た。解き方はここに書いてあるのを読めば分かる筈だから」
「おお!!流石だなぁ」
「ありがと」
フッとクール的アレな笑みを顔に貼り付けるけれど、内心乱れまくっていた。
ねぇ、舞亜さん?羽恋さん?お願いだから、手なんて握りしめないで。
ときめいてそのノリで体が浮くよ!!?!

素敵な休日の後だから、学校行くのノリ気じゃなかったんだけど、このハーレムな教室を忘れてた。
オレ、今日一日君たちの為に頑張るからねっ♪

「にしても、尚輝って凄いよな。勉強出来て、スポーツ出来て、顔も良いとかどっかのアニメの主人公みたい」
「え、何?それオレの事?」
「お前しかいないだろー。オレ尚輝の事大好きだぞ?」
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