とある隠れ変態の物語
□羽恋とデート、正午の部
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やっと梅雨も明けた今日この頃ここ最近。
それでも湿度はまだまだ高くて。正直こんな季節に出かけるなんてありえないんだけど。
今日ばかりは特別だ。
だって、隣に居るのが羽恋だから。
来週遊ぼと言ってくれた羽恋に乗っかり、現在は楽しくお昼ご飯タイム。
そして高校生のお昼といえば、ジャンクフードが定番。その中でも圧倒的な人気を誇るのが、マック。
「そういえば、羽恋と遊ぶのって初めてだよね」
「だよなー。今までも何度か誘おうと思ったんだけどな、尚輝っていっつも女子か男子に囲まれてるんだもん」
「あはは、そう、かなぁ?」
「そうだそうだ。だから……」
「うん?だから?」
ポテトをほおばっている羽恋の顔を覗き込むと、ほんのり朱色になっていて。
和むなぁ……。
「な、何でもない」
「ふふ、どうして黙っちゃうの?…………もしかして、嫉妬でもしてくれたかな?」
もしもそうだったら、躊躇はしない。即抱きしめる。んでどさくさに紛れてほっぺにちゅーする。
まぁ、有り得ないけどね。どんだけタラシなんだよーとか言われるだけに決まってる。
と、思ったのに。
羽恋はさらに真っ赤になって、恥ずかしさからか涙をうっすらと浮かべ、綺麗な瞳を濡らしていた。
「……ん、っ……あっ、なぉきぃっ……」
あんま見ないでぇ……恥ずかし……。
羽恋は二年にあがってからの友達だから、まだ半年も一緒にいないけど、凄く分かりやすい事と図星だと真っ赤になる事は理解した。
もしかしてこれは期待して良いのかも。
「嫌だよ。いくら羽恋のお願いでも聞けない。――ねぇ羽恋?教えて」
耳元でそっと囁くとびくりと肩を震わせてじっと見つめられる。
あぁ……シアワセ!!
そんな濡れた目で見ないでよ、興奮してくる。
「さっ、最近の尚輝……おかしい。ちょっと……いじわるになった」
「羽恋が可愛くてさ。ただそれだけ」
「か、かわっ……。うぅう、そうだよ……嫉妬、してた。だって、だってだって尚輝が他の人とばっか話すからっ、オレの入る余地なんて全然無くて」
一番奥の席で良かった。
仕切りがあるから何しても大丈夫。
正直に話してくれる羽恋が愛しくて。
「ありがと、羽恋。めちゃくちゃ嬉しい」
「はぅっ……でも、でも何かオレ、今の……ホモっぽくないか?」