とある隠れ変態の物語

□羽恋とデート、女の子の部
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かっ、

可愛いいいいいい!!!!

「……ど、どうだ?」


トマトみたいに真っ赤になってエクステを落ち着き無く指先でクルクルといじる彼、否。
今は彼女だ。

今日の羽恋は深緑のつなぎ、中には半袖ワイシャツ。靴は黒のスニーカー。
髪型は明るい茶色(地毛)で、頭の上の部分がわんこミミみたいにはねていて、肩上位の長さ。

このままでも正直十二分に女の子なのだが、それじゃ駄目だと言ってクルクルに巻かれたエクステを付けた。
前髪にはハートのピンを付けて、細めの黒カチューシャ。靴は黒のパンプスに履き替えた。
つなぎでも可愛いかったが、女の子になるならスカートだろ、と羽恋が聞く耳を持たずふわっふわの黒いミニスカートを着用。黒で固めたシンプルスタイル。


「可愛い過ぎる……」

慣れないヒール、しかも十センチもあるためフラフラしながら立っている羽恋はあまりに可愛いくて。


「本当か?!へ、変じゃないか!?」
「全然。いや、むしろ可愛い過ぎて、オレが変になりそう」
「それはっ……い、い言い過ぎだっ。あっ、別に嫌な訳じゃ無いぞ?」
「ふふっ、羽恋……?」
「ななな、な……んだ」
動転して目を回す彼をぎゅっと抱きしめる。

「……欲情、しちゃうよ」
「っ尚輝……、抱いても、良いぞ?」
「羽恋?!」
「い、今は……女の子だから。尚輝の彼女だから……自由にして」

はれーーん!!
君はいけない子だ、オレが自由にしたら淫らな子になっちゃうけど良い?!
良いの?!

にしても綺麗な足だ、触りたい!!!!
抱きたいよ、凄く。
でもそしたら変態ってバレちゃう。今はまだあまりに可愛いくて抱きついちゃったで何とかなるけど。何よりクラスメート抱いちゃ気まずくなるでしょう。


「あれ?真田じゃーん」

げっ、クラスメートだ!!!!しかも羽恋ファン……気まずっ。


「川島。と、友達?」
「そぉ。D組の伊沢(いざわ) 啓夢(けいむ)」
「どーも、真田……尚輝くんだよね」
「え?何で知ってるの、名前」
「だって人気者だから。オレだって知ってるよ」
「あはは、ありがと」


オレが?人気者?
……分からない。


「てゆーかさ、その子誰?」
「はじめまして、なのかな?」
「は、はじめましてだよ、他校の子だから。オレの彼女」
「ふぇっ?!」

羽恋がびっくりして声をあげるが、そういう事にしておいた方が楽そうだ。
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