とある隠れ変態の物語

□その頃のクラス
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その頃教室は。
カリカリカリカリカリ、
カリカリカリカリカリ。
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ。
ひたすら書く音書く音。
最初はそれだけだったのだが。
「舞亜と真田って似合うな……」
誰かがぽつりと独り言を漏らした後からはもう、カリカリカリカリカリでは無く、
ざわざわざわ……という状態だった。
「舞亜様可愛いしなぁ」
「真田綺麗だもんな……」
「呼び捨てするな、様付けろ様を」
本人達の居ない場では、崇められちゃってたりする。
ちっちゃくて、少し勉強が苦手でスポーツ万能で可愛い羽恋。少しとは言っても、全国トップクラスの学校。一般常識で測ろうものならば、その頭脳はずば抜けている。
背は高めで成績超優秀でスポーツ万能で容姿端麗な尚輝。
男女共々好かれていて、本人はその事に全く気づいていない。どうやらそれもツボらしい。
「……オレさっきの写メったぞ」
「くれ!!」
「いやオレだけに」
「駄目だオレが」
「やらん駄目だ」
らしく無くぎゃんぎゃんと騒がしい教室。注意された事は言わずとも分かるだろう。
「みんな静かにね?」
しかもそこに現れたのが学園のアイドル的存在の理事長、比等とあれば。
「理事長っ……!」
理事長親衛隊が存在して、学園の生徒の八割は加入している。このクラスの生徒も当然。
「奥さんいないんですか」
「好きな人はっ」
「同居とかは?!」
「いません、してません。みんなプリントは終わったの?」
「「終わりましたー」」
「そう。さすが」
理事長の笑顔に悩殺される生徒が続出しだした頃、授業終了のチャイムが鳴った。
そこから少し時間を遡った保健室は。

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