とある隠れ変態の物語

□子猫ちゃんといちゃこら
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どうすんのどうすんのと頭で必死に考えて考えて――
「携帯」
「え?」
「携帯見れば分かる」
侑里くん!それ、先に言ってくれる?意外にあっさり解決しちゃったよ!!
残念、もらえないのか……。
解決したのだから喜ばなければいけないのだろうが、素直に喜べない。お泊まり会は無しか…………。
「でも外雨凄いから、出来れば泊めて欲しいです」
「良いよ良いよ。泊まってて?」
よっしゃきたー!!台風万歳万歳。
「尚輝お兄ちゃん、寂しがり?」
「あはは、そうかもしれないなぁ……。――っえ?」
照れ笑いを浮かべて顎に指を添えていると、侑里くんが頭をなでなでしてくれた。
「寂しがりな尚輝お兄ちゃん……一人暮らしだから?」
二人で座るにはいささか狭いソファーだから距離も吐息も近い。

やばい、楽しい!!

にやにやとしそうになって、必死にそれを押しとどめる。無理に我慢したせいで眉を寄せた、少し寂しそうな表情になってしまった。
侑里くんは、その短い沈黙と表情とで問いを肯定していると思ったらしい。ぎゅうっと抱きしめてくれた。

「尚輝お兄ちゃん……こんなに優しいのに、悲しまないといけないの……」
「侑里くん……?」

待って待って待て、
オレおかしくなりそう!!!!
何かあれだ。オレ侑里くん大好き!!!!!!
あんまり表情変えないけど優しくて、ちょっと勘違い屋さんな侑里くん。
最早愛しいです。
でも、今は侑里くんの勘違いに乗らせてもらおう、うん。

「でもね、今は侑里くんがいてくれるでしょ?だから、寂しく無い。せめて今夜は一緒にいて欲しいな?」
「尚輝お兄ちゃん……ちょっとえっち」
「そうだね。侑里くんが優しいから食べちゃうかも……しれないね」
「っ…………」
おおお、真っ赤になった。
メガネの奥の双眸はずっと涼しいままだった、のに。
オレの膝の間でちょこんと座り直す様子にはあんまり余裕が無くて。
「いじめちゃったね……?ごめん。シャワー浴びておいで。びちょびちょだから、風邪ひいちゃう」
「はい。あ、夜ご飯は迷子になる前にかろうじて済ませてあるので……」
「了解。ゆっくり入って来てね」





「シャワー、ありがとうございました。……服も」
「いいえ。侑里くんは、甘い物平気?」
「はい。……というか」
「甘党、かな?」
「……はい」
もう駄目だ、我慢出来ない。
「パジャマ似合うね。可愛いー」
思わずすりすり。
ほら、にゃんにゃんにすりすりしたっておかしくないよね?

「チーズケーキあるから、食べよ?」
「ありがとうございます……」
「いいえ〜」
いただきます、小さく呟いてケーキを口に運ぶ。すると一瞬にして表情がほころんだ。
美味しい……。瞳をキラキラさせてそう言侑里くんは凄く嬉しそうで、こっちも嬉しくなる。
「実は手作り」
「手作りっ?!」
にこっと笑ってそうだよ、と口にするとしばらくの間じっと見つめられて。
「あーん」
何故そうなるのかケーキをオレの口元まで運んでくれる。
「あーん」
素直に口を開けてケーキを待つ。口の中に入り込んできたケーキは特別に美味しい気がして。
あれ、これって間接キス?侑里くんと間接キスッ?!
うそーーーー!?
たっのしぃいぃ!!!!
もう有頂天。テンションマックス。
ゆーうりくんっと、かんせっつきっす〜〜♪

あーんにはまったのか、それからも天使な時間は続いて。
「あーん」
「あーーん」

「あーん」
「あーーーーん」


こーんやはたっのしぃいな♪


「あ、自宅には電話した?」
「はい。明日の昼頃、来てくれるそうです。……住所は後で送ってと兄が」
「お兄さんいるんだ」
きっとすってきなお兄さん♪だよね
「大学生です」
「そっかそっか。侑里くん、あーん」
「あーん」
ちゅ
「へ?」

ごめんね、したくなっちゃった

耳元で囁くと隣にいる侑里に頬をわしっとつかまれる。


え?


と、唇に柔らかいものが……。
そしてすぐに口の中に温かい舌が入り込んできて…

「っ、んふ…むっ」

侑里くん?!どうしてそんなにサービス精神旺盛なの、君は!!!!

ちゅぱ、と音を立てて唇が離れていき、負けず嫌いです、と動く。

ぃよっし、それなら。


「お兄ちゃん、やられっぱなしは悔しいから。……舌、出しなさい」
「……はい」

うん、やっぱり素直な子だ。

それを良いことに、その舌を思い切り吸い上げる。びくりと肩が跳ねるけれどこれはまだ序章。

舌を伝って口の中へと入り込み、口腔をぐぷぐぷと舐めまわして官能をくすぐった。

「ぁふぅ、んっ、んんぅっ」

瞳を潤ませて眉を寄せる。
どうしても耐えられないらしく、軽く腰が動き出してきた。

――そう、このまま……。

侑里くんを抱きしめながら深いキスをさらに深くして。
はぁはぁと息を荒げる可愛いにゃんにゃんは、もう何をしても誘っているようにしか見えず。

それから侑里くんの負けず嫌いと
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