とある隠れ変態の物語

□お昼寝は子猫に囲まれて
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「は、はい」

何だろう、急に。

「なにそれ。羨ましい」

うん、変態だ。確信した。






侑斗さんはオレの部屋に入るなり、それはもう瞬間移動のような速さで侑里くんの近くまで行き――。

「お前、わざとか?」

病人にかける言葉がそれかっ!!!!何て突っ込み所満載なんだ。
「わざと?オレは侑斗にぃほど変態じゃない」
「それはそうだ」

え?じゃあ侑斗さんの場合本当に病気か分からないって事?
拾ったの、侑里くんで良かったかも。
それにしても、それにしてもだ。
素晴らしい光景だ。
二人共綺麗だからもう、絵になっちゃって絵になっちゃって。

そっか、だよな。よしよし。
なんて言いながら侑里くんをなでなでする侑斗さん。
くすぐったそうに目を細める様子もやっぱり子猫みたいで可愛らしい。そして恒例のおでここっつんである。

うわ、うわそろそろ自制心飛ぶ!!

「微熱程度で良かったな」
「ん。……侑斗にぃ。…手」
「手?甘えんぼ」
「いいよ、何とでも言ってよ」

相変わらずあまりの表情は変えずに差し出された手に指をからめる。そうすると、やはり少しだけ表情がやわらかくなった気がして。
何て言うか、正直とってもごちそうさまな感じ。

「はぁ……」

美人って良いなぁ良いなぁ!!
ほれぼれしちゃう。
んで、さっきから気になってるのが、侑斗さんのフード。なんか余分?な布が付いてる。
いやしかし、場合によっては余分所か、そのフードを被って下さいになるんだけど。

「ネコミミフード」

――えっ!!!!

「ネコミミ?」
「うん。オレが誕生日あげたやつ」
「そうそう。可愛いだろ?」

やっぱり?!
あの布ネコさんのおみみ?!!!
ネコさんのおみみを両手で持ってぴこぴこ動かしてみせる変態美人。
やめて、まんべんの笑みなんて浮かべないで!!!!
侑里くんプレゼントのセレクトナイス!!

「そうですね。何か無駄に似合う……」

そうですね、似合い過ぎてっ……!!似合い過ぎて……ハグしたい!!やばい、吐血する……

「尚輝、お前もこっち来いよ」
「いいです、オレは」

勘弁してくれぇ…………

「尚輝お兄ちゃん……」
「え……」
「尚輝、オレと侑里嫌い?」
「えええ?!」

まさか、めっそうもございません!!むしろ大好き。

「おいでよ?」
「来いって」
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