とある隠れ変態の物語

□羽恋とデート、女の子の部
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『声、だしちゃ駄目だよ?ばれちゃうからね』
『あい、分かった……』

ひっそりと会話をして二人にはにこりと微笑みかける。


「へぇー、やっぱいたんだ。にしても、E組の柚子さん悲しむだろうなぁ。彼女美人なのに」
「そうは言っても、オレは彼女よりこの子の方が大好きだし可愛いと思うから」
「うわ、オレもそういう事言ってみたいわ」


口を突き出していいなーいいなーと言い始めるが、実際は彼女なんていないからよく分からない。欲しいとも思わない。
まぁ、今オレの腕の中でパンプスに耐えながらクラスメートにバレない様に必死になってる、この子なら欲しくてたまらないけどさ。
それこそ、無理な話しだし。


「ねぇ、真田くん。彼女さんの顔、見ても良い?」
「だーめ。恥ずかしがり屋さんだし、きっと一目惚れされちゃうから。見せません」
「えぇ、ケチ」
「ケチ言いません。本当に恥ずかしがり屋さんなの。……ベットでは凄いんだけどね?」


腕の中の負担が若干増える。どうやら羽恋が腰砕けになってしまったらしい。
川島はベット…?!といかにもな物凄くベタベタな反応をして、友人くんはくすりと笑って、真田くんもお年頃なんだねと言った。


「それじゃ、お二人さん、お幸せに」


友人くんの方は余裕綽々。可愛らしい顔立ちしてるし、女の子にもモテるんだろう。多少の免疫もあるはずだ。
ばいばーいと手を振って、川島をずるずると引きずっていく。ベンチに座らせて何かを思いついたかのように、ぽんと手をうって再び近づいて来たかと思えば。




「ねぇ、その子男の子でしょ。真田くんてそっち趣味だったんだね」
え、まじで?バレてたっーー!!!!


「伊沢くんて、同業者なの?」


な訳無いか、と思いつつ、それ位しかバレた理由が分からない。
何のことかなと誤魔化してもかえって確信させるだけだ。
だから開き直ってやろう、そう思っての対処だったのだが。

「うん、まーね。ピンキーってメイドカフェ知ってる?」
「まぁ、名前だけは」


やはり同業者で正解の様だ。


「そこで女装して働いてるんだ。あのお店、女装率意外に高いって知ってた?」


そうだったの?!あそこってそういうお店だったのか!!
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