とある隠れ変態の物語
□デジカメとドSとドM
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オレが口出し出来る事じゃ無いけどさぁ、瑞穂さん早まんない方が良いって絶対に。
「薫さん……キスが欲しい」
「お前はどんだけ欲求不満なんだ。夜嫌だからやめてって言ってもやめない位の事はいくらでもしてやるから、我慢しろ」
「無理です。……あなたのっ、せいで」
「我慢出来ないならどこをどうして欲しいのか、具体的に言わないと分からないぞ?」
うわぁあ……意地悪だ。
先代生徒会長ってとんでもないドSって聞いた事あるけどさ、これは……。
たまらない!!
でも。
何でそんなに瑞穂さんは嬉しそうなの?
Mなの?!
「うふふ、そう。Mなのよ、瑞穂は。……はぁ、素敵ね、素敵よ。このテンションでいけば世界一怖いバンジージャンプも笑って飛べるわ!!」
やる!!
彼女なら笑って飛ぶ!!
何か確信しちゃう。
でもオレだってこのテンションでいけば世界一怖いジェットコースターだって乗れちゃうよ!!
あ。
…………笑っては無理かも。
だってオレ高所恐怖症だもん
くだらない事をつらつらと考えていたその時。
「尚輝っ、いるかぁ?」
え?
「羽恋」
何でここに?
「尚輝が柚子さんと生徒会長室に行ったって、聞いたから……。まだいるなら、一緒に帰ろうと思って……」
羽恋っ……
「そうだね。そろそろ帰ろうか。あ、シャープペンありがとう」
刺激的な場面をガン見した後だから、何か和むなあ……。
周り変態ばっかだし。
オレもだけど。
ふわふわの明るい茶髪をくしゃりと撫でると、嬉しそうに目を細める。
「んむ。帰る」
「それでは。柚子さん、紅茶ありがとうございます。薫さんも瑞穂さんも、お幸せに?では」