とある隠れ変態の物語

□アフターイベントは保健室☆
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そう思うけれど志摩先生に言われると何だかたいしたことじゃ無いような気がしてくるから不思議だ。けど言葉では認めないよ。じゃないとこの人は確実に調子に乗る!!!!
「そんな事無いぞ」
「有りますよ」
「無い無い」
「有りま」
ピピピピッ
ある意味ジャストタイミングで体温計が鳴る。志摩先生の相手に若干疲れを感じてたからほっとする。
そこに表示された数字は。
「39.5……」
「早退だな」
そっか……早退か。
羽恋がいない学校なんてつまらない。やだなぁ……オレも帰っちゃおうかな。
「それはダメだぞ☆」
「何で考えてる事分かったかはあえて突っ込みません。でも語尾の星マークは今すぐ撤回して下さい」
「えー」
「いい大人がえーとか言わないで下さい」
何でこんなに残念なの、何でこんなに残念なイケメンなのあなたは。
ほら羽恋がじっとりした目してるよ、気づいて!?
「まぁとにかく舞亜は早退。家に誰か居るか?」
瞳をうるうるさせて首を横にぶんぶん。
「誰も居ないのか……仕事?」
「は、い……ふたり、とも……し……ごと」
なら仕方ないな。ここに居ろ。
オレの膝に跨っている羽恋の頭をわっしゃわっしゃしてにこりと笑う。
ほんと、こういう表情は様になるのに。
「真田は……プリント終わってるよな」
「はい」
「ならここに居れば良い」
「え?」
「だって舞亜が悲しそうな目してんだもん。可哀想だろ、お前が帰っちゃ。……なぁ舞亜?真田居た方が安心するだろ。居てってお願いしてみたら?」
志摩先生の言葉に火照った頬をさらに火照らせて。
「なおきぃ……」
「うん?」
瞳に涙まで浮かべて。
「帰っちゃ、や……」
オレのシャツをギュッと握りしめて、お願いと呟く。



うん?オレ?





悩殺されました。
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