混合-夢&CP-

□腐れ縁
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※現パロ設定



12月24日


「メリークリスマス!!」

……。

「……帰れ」(バンッ!
「うぉおい!!」

インターホンに呼ばれ開けてみると、青い長髪の男が立っていたのですぐさま閉めた。
自然とため息が漏れる。
扉の向こうで文句を大声で叫んでる近所迷惑きわまりない男が他人だったらどんなによかったか。

だが残念なことに、いるのはただの腐れ縁野郎だったりする。

「おまっ!雪の中に友人をほったらかす奴があるか!」
「友人?どこにいる」
「ひっでぇ!?…だが、こんぐらいで引き下がる俺じゃ、ゲホゲホゲホッ!」
「たくっ言わんこっちゃ」
「ゴホゴホゴホッ!!」
「……オイ」

さっきまでの声が聞こえなくなり、ゾクリと背筋が震え、すぐに鍵を開けた。

「オイ!カルディア!!」

もう一度扉をあけて見ると、しゃがんでうずくまっていた。
声をかけると手を差し伸べてきて、俺はそれを握った。

だがその時、隙間から見えた奴の顔は、笑っていた。

「っ!?」

バッと握った手を振り払いドアを閉めようとするが、間に合わず閉められないように押さえられる。

「甘くなったなァ。ラクサス」
「っのやろうが…」

心配してやって損した。
病人だと思って同情してやればコレだ。
握るドアノブを強く引くが相手も同じぐらい強く引っ張り、扉が中途半端に開いたまま止まっている。

「心配しちゃった?」
「黙れ。離せ。帰ってデジェルに説教されろ」
「ぜってー嫌だね」

口角を上げて笑う。

あぁ、こりゃ折れねぇな。
俺はしぶしぶ、しぶしぶドアノブを握る力を緩めた。

「…ハァ。たくテメェは…」
「お?やっと入れる気になったか」
「追い返しても無駄だろ」
「最初から素直にしとけばなァ」
「やっぱ追い出してやろうか?」
「冗談だって、冗談」






カルディアは家に上がるやいなや、さっきまで俺が入っていたコタツに滑り込んで行った。

「あ〜暖まるわ〜。ラクサスも早く入れよ」
「何で後から来たお前が我が物顔でくつろいでやがる」
「いいだろ。ケチケチすんなって。つか何でコタツの上にみかんなんて置いてんだよ。ここはリンゴだろ」
「それはお前の個人的ルールだろ」

カルディアの軽口をいなしながら、自分の飲むコーヒーとカルディアの分のコーヒーを用意する。

そして砂糖2本とコーヒーを2つ持ちコタツまで行き気付く。

「おい。その箱なんだ?」

見たところ、ケーキ1ホールが入っていそうな白い箱だった。
テーブルに乗っていたそれにカルディアは、あぁ、と言って蓋を開けていく。

「これはな、まぁ、クリスマスケーキだよ」
「お前でも気がきく時があるんだな」
「あいかわらず失礼な奴だな。これは今日の朝にデジェルと俺で作ったんだぜ」
「え、お前もか。洗剤とか入れてねぇよな」
「いやいや!俺そんなに料理下手じゃねぇよ!!これでも一人暮らしやってんだからな」
「毎日隣人の所に行って飯をたかって暮らしてる奴を一般的に一人暮らしとは言わねぇんだよ」
「う、うるせぇな。今は関係ねぇだろ」

そう言いながら乱暴に出すと、一緒に香ばしく焼けたリンゴの匂いが嗅覚に反応した。

「…アップルパイか」
「うまそうだろ?」

さっきまで普通のショートケーキのようなクリスマスケーキを想像していた俺が酷く愚かに思えた。
このリンゴ中毒がリンゴ関係以外持ってくるわけなかった。

だが今はそれは置いといて、意外にも見た目も匂いもなかなかのものだ。
手作りと言うから形はもっと崩れているかと思ったが、リンゴも綺麗に並んでいて焦げ目もいい感じについている。

「…さすがデジェルが作っただけあるな」
「おまっ!俺も作ったっつってんだろ!」
「じゃあ切り分けるぞ」
「俺半分な!」
「食い過ぎだろ」





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