流川夢*幼なじみ

□幼なじみ
1ページ/2ページ

あれは中学2年生の頃だった。

「 桜 、明日の試合見に行かない?」

親友のこの一言で私はある思いに気付く事になる。




佐々木 桜 と流川楓の家は隣同士で、両親同士も仲が良くあわよくば子供同士くっつけてしまおうとよく話していた。

産まれた病院から高校まで同じだ。

桜 と楓本人達は仲が良いだけで、特にまだ幼いせいもあってか恋愛には発展しないままであったが、、、。     

中学2年の夏。
桜 はバスケ試合を初めてみた。
自分の幼なじみがこれ程まで素敵だったのかと、気づいてしまった。

気づいてしまってから 桜 は、楓と距離を置くようになった。

中学3の夏。
バスケの大会も終わったある日の休日。

「おばさん、うちの母からお土産です。」
時々、こうやって 桜 の母は娘を隣人宅に使いに出す。
「あら、 桜 ちゃん。ありがとう。ちょうど良い時に来てくれたわ。悪いけど、楓を‥」
楓の母親が「悪いけど、楓を・・」という時は、楓を起こして欲しい時だ。
「あ、まだ寝てるんですか?」
そういうと、楓の部屋へと向かう。


桜 は一年ぶりくらいに楓の部屋に入る。
 
(もうお昼なのに、まだ寝てるのかぁ。)

一年ぶりに楓の部屋に入る。

楓は横向きでこちらを向いて背中を丸くして寝ていた。

「楓、起きて」
桜 は楓の肩を揺らす。
中学生にしてはがっちりとした体格な事に再度気付く。

既に成熟した体つきの楓と、まだ子供っぽい自分の体つきをつい比較し、がっくりと落ち込んでしまう。

「楓・・」
呼び掛けながら顔をみれば、長い睫毛がめにつく。
(いいよなあ。睫毛長くて。肌も白いし)
じっと見てると、
「いつまで見てる」
パチっと目を開け、起き上がる。
「いつまで寝てるのよ。」
桜 は負けじと言い返す。

本当は心臓がバクバクして、胸がはりさけそうだ。


「るせー」
と、呟き桜をみる。

「 桜 は高校どこ?」
起き抜けにそんな質問が出るとは思わず、 桜 は驚く。

「近場」
とだけ、なんとか答えた。


       
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ