流川夢*幼なじみ
□幼なじみ*沖縄編
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夏休みもあと僅か。
バスケの大会も終わり、束の間の休息に桜と楓は沖縄に降り立っていた。
事の始まりは二人の両親から、「美華ちゃんが結婚式挙げるの。沖縄に行くわよ。せっかく行くなら1週間は滞在するから用意してね。」
美華ちゃんというのは、二人が小さい頃よく遊んだ近所のお姉さんである。
綺麗な人だからウェディングドレス姿もさぞかし素敵だろう。と思うか、桜には何か胸騒ぎがしていた。
桜の嫌な予感は結婚式が終わったと同時に当たる。
「あれ?お母さんたち一緒に行かないの?」
何故か桜と楓の二人分の荷物しかタクシー乗せないのに怪訝な顔をして、二人の両親を見つめる桜。
「お母さん達はこのホテルなんだけど、楓君と桜は海辺のホテルにしてあるの。二人でひとへやだけど、スイートだからね。じゃ、楓君桜をヨロシク。」
と、笑顔で二人にそう言うと、運転手にホテルの名前をつげ、笑顔で二人に手を振る。
「どうしよ…。」
顔面蒼白な 桜 に対し、楓は落ち着いている。
「ま、仕方ないんじゃねぇ。」
と、諦めている。
(スィートって多分ベッドルームは一つじゃないよね。)
しかし 桜 の考えは虚しベッドルームは一つ。
しかも、ベルボーイいわく[新婚さん向けの部屋]らしい。
綺麗な内装な部屋で、大きな窓がたくさんある。どうやら昼間だと綺麗な海が見えるのだろう。
そしてキングサイズのベッドが一つある。
もちろんわざわざこの部屋を両親達は探したのだろう。
動揺している桜をお構い無しに、楓は「疲れた」
と、さっさとシャワーを浴びに行く。
(ま、あの楓だ…何も起きない…ハズ)
桜は結婚式用に綺麗にまとめた髪の毛をほどく。
ソファーに座りテレビを視ていると、楓がシャワールームから出てくる。
桜は何にも気にしていないという態度で、楓の後に続きシャワーを浴びる。
桜が部屋に戻ると、楓はベッドの真ん中で寝ていた。
(まあ、こんなもんよね。)
と、苦笑いしソファーに横たわる。
移動や結婚式の疲れもあり、桜はすぐに寝付いた。