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□大嫌いなはずなのに
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ダム視点

俺が三月うさぎを
殺したと云う疑いがはれてから
やまねは態度を一転し
異様に俺にまとわりついて
くるようになった

「ダム、みてよこれ!!
さっき真琴が僕に
くれたんだ」

やまねは両手いっぱいに
チョコレートを持って
俺のもとにかけてくる

「それは良かったな」

前のように
あからさまに
俺を毛嫌いされるのは
嫌だが
これもこれで正直嫌だ
なんというか
俺は1人で静かに
行動をするの慣れているから
今のやまねは
俺にとっては少し困る存在だ

「やまね、お前は俺を
嫌っていたのではないのか?」

そう言うとやまねは
少し動揺したが
すぐにいつもの笑顔に戻る

「だって
あれは違ってたんだし
別に嫌う必要もなくなったし」

自分勝手な奴だ

「ダムも一緒に食べようよ
僕1人じゃ
全部食べれないからさ」

「悪いが俺は今
甘いものを食べたくないんだ
それと、こう毎日のように
うるさくされるのも迷惑なんだが」

「え」

俺がそう言うと
やまねはあきらかに
傷ついた顔をした

少し言い過ぎたか・・

「そ、そっか
そうだよね
前まであんな態度とってた奴が
いきなりこんなふうにきても
迷惑だよね」

「そういう訳では」

「そうだ
チャシャ猫のやつ
昨日チョコレート食べたい
とか言ってたし
仕方ないから
チャシャ猫にあげてくるよ」

「おい」

「ごめんね」

やまねは俺の話も聞かずに
早々に走って行ってしまった。

「・・・はぁ、またやってしまった」

前に一度
アリスの事を泣かせてしまった俺は
以後気をつけようとしていたが

次はやまねを泣かせてしまった。

「いったいどうしたらいいんだ、俺は」


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