□ハートレンジャー編
□急募!ハートピンク!!
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これは××○○がハートエナジーを大量放出する少し前の話―――。
ここは地球防衛機構Jガーディアンズ。
ハートレンジャーと千鳥、神谷はブリーフィングルームで何やら話し込んでいた。
「千鳥、これはどういうことだ?説明してくれ。」
青山は『ハートピンクの公募について』と書かれた議案書を見せながら、千鳥を睨みつけた。
「どうって、そのままだよ。ハートピンクを公募しようかなと思ってるんだよ。」
千鳥はしれっと答えてから、みんなを見て笑った。
「それは読めばわかる。俺は何故公募するんだと訊いているんだ。」
「まあまあ、玲ちゃん。大将の話も聞こうよ。意外と深〜い理由があるのかもよ。」
千鳥を睨みつける青山の前に猿飛が割って入った。
「わかった。では、ワケとやら聞いてやろう。」
青山は腕組みをし、千鳥を見据えた。
「いや〜、神谷くんがハートピンクを辞めてから、しばらく経つけど一向にハートピンクは見つからないだろう?だから、公募しようと思ったんだよね。」
「………」
「大将、それだけ?」
「うん、それだけだよ。いけないかな?」
見つからないから公募するという至ってシンプルな理由を述べた千鳥を見て、青山はわなわなと震えていた。
「ハートレンジャーは最高機密なんだぞ。存在を公にできるわけがないだろう!」
そんな青山の態度を気に止めることもなく、千鳥は話した。
「うん、よくわかっているよ。玲士、心配しなくても大丈夫だよ。誌面協力とか番組協力とかの理由を付けて、ピンチの時に起こった不思議な体験をした話を教えてもらうようにするから。その体験の内容でも潜在的にハートエナジーがあるかどうかわかるだろう?それに…、」
「それで話を訊いているうちにハート値を計ればいいってことですね?」
「うん、そうだよ。」
青山は何か言いたげな顔をしながらも、まぁそれならいいだろうと言った。
「別にそこまでしてピンクを探す必要はねぇだろう。戦闘力でいうなら神谷が適任じゃねぇか。」
黒峰は納得のいかない顔をして、反論した。
「戦闘力だけならね。でも、ハートレンジャーは恋で強くなるからね。女性を一人入れることは譲れないね。」
「馬鹿馬鹿しい。恋で共鳴なんて誰が信じられるかよ。俺たちは戦うことが使命だ。戦闘力の低下をみすみす黙っていられねぇよ。」
黒峰はあきれた顔をして千鳥を見た。
「理論上の話だけど、恋をし合えば共鳴を起こし確実に強くなるよ。僕は同性愛を否定しないから、女性をどうしても入れたくないなら、君たちの間で共鳴を起こすことはできるかい?」
「ああ!!?」
千鳥の提案に黒峰は目を白黒させた。
「この中の誰かと共鳴を起こせってのかよ?それはつまり…」
「そうだよ、継。」
「この中の誰か…。」
そう呟くと黒峰はしばし考え込んでから、まず赤木を見た。
「わ、バカ!!見るな!!俺は清純な女の子と赤木さんの激しく突く、太くて長い…腕を見てるとトキメキますとか言われながら、砂浜で二人で正拳突きをするのが夢なんだ!!」
「リーダー、ギリギリの言い回しだってわかってる?」
「え?あ゛!!俺のバカバカバカ!!!」
赤木を白い目で見た黒峰は次に青山を見た。
「!!…私が同性を好む確率は12.4%だ。よって限りなく、可能性がないものと判断していいだろう。実際、私にはそのような趣味はない。」
「そうだろうな。」
「玲ちゃん…微妙にある10%強が気になるじゃない。」
素っ気なく答えた黒峰は次に猿飛を見た。
「継ちゃん!継ちゃんに色気があるのは認めるけど、オレ女の子が大好きだから!!取っ替え引っ替え浅く広く女の子と付き合うのが性にあってるから!!」
「あぁ、わかっている。」
「猿飛、最悪な発言だな…。」
神谷は次に視線がくることを察して、すばやく答えた。
「継、俺は男だ!!お前の強烈なスパンキングにも応えられないくらい、心は真っ当な男だ!!」
「あんな固ぇ尻、こっちから願い下げだ。」
一通り見回した黒峰は肩を落とし、千鳥に言った。
「わかったよ。加入云々は別として一度、募集をかけることに反対はしねぇ。」
このようにして話がまとまり、Jガーディアンズはハートピンクを公募することにした。