□ハートレンジャー編
□ヒーローの期限
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「皆さんはこれからもハートレンジャーをやっていくんですよね?」
○○は突然、質問を投げかけた。その瞬間にブリーフィングルームが静まり返った。
「どうしたんだ?突然…。」
「継ちゃんのセクハラで嫌になった〜?」
みんなは口々に質問をしてきた。
「あぁ、違いますよ。違います。みなさんは男性だから結婚してもヒーローができるけど、私は女性だから結婚すると、ヒーロー稼業はちょっと大変かなー?と。」
「今は男女平等だからな。私は妻が働く場合にはきちんと家事を分担してだな…」
「女は守られてりゃいいんだよ。だから、××も結婚したら引退すりゃいいだろ?次は若くてもうちょっと胸のあるピンクを…」
「黒峰!!○○は引退なんかしないぞ!!なぁ、○○!!」
「熱くなんなよ。もしもの話だろうが。」
熱くなるみんなをよそに猿飛が近付いてきた。
「どうしたの?急に。」
「ん?特に理由はなかったんだけど…こんなに熱くなるとは思わなくて…。」
「みんな、○○ちゃんが好きだからね。まだまだ一緒にいられると思ってたから、びっくりしてるんだよ。」
「でもさ、いずれは私だって結婚したいし。そうしたら子供も欲しいし…。妊婦ヒーローなんて無理だから、私のヒーローとしての時間はそんなにないのかな?って。」
その話を聞いて、猿飛は少し考えた。
「確かに、そうかもね。オレたちは男だからそんな心配したことなかったけど…。だけど、期限があるのは同じだよ。オレたちもいずれは超人ボーイみたい次世代ヒーローに託すときがくるのかもね。」
猿飛はそう言って、○○に顔を寄せた。
「でも…それまでは頑張って戦っていこうね。そして、」
「そ、そして…?」
○○は恐る恐る聞いてみた。
「結婚したら…オレはまず家庭の平和を守るから安心してね?オレの未来の奥さん…。」
「い、いや〜。それはどうでしょう〜。」
○○は猿飛を渾身の力で押し返しながら、
(猿飛くんの近くにいたらすぐにヒーロー引退になっちゃいそうだ〜!!!)
と、思った。
【ヒーローの期限】
END