□ハートレンジャー編
□君に捧げる愛の手
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少し肌寒くなった秋の夜明け前。
大量の銀杏を踏み潰し、強烈な異臭を放つという暴挙に出たメノスだったが、異常に鼻の良いウルフが誰より先にダウンし、2Xとなったダークとジュテームを呆気なく倒したハートレンジャーは、最終確認を済ませ、一同Jガーディアンズに向かって歩いていた。
「臭い!!臭いぞ!!自分がう●こ臭い!!」
「うるせぇ、デカい声でさけぶな。しかし、全然取れねぇな、この臭い」
「開店までには取れるかな〜?客商売なのに、これじゃ困るよ〜」
「どうだろうな?銀杏の臭いは酪酸の匂いで――」
各々、体に染み付いた強烈な異臭を、臭いとわかりながら匂い直し、案の定、顔を歪めながら歩いていた。
「…ほんとに臭いですね」
例に違わず、○○も自分の髪を鼻に近付けると、絡みつく臭いに鼻がもげそうになった。
「うぅ…臭いっ!!」
(う●こ臭い、ヒロインって…待遇改善の要望、全然通ってない……)
Jガーディアンズに着いた異臭を放つ一群は、一目散にシャワールームに駆け込み、隅々までしっかりと洗った。
時はすでに6時を回っていたが、時間外労働にて睡眠が確保できなかった彼らは、明けていく空を拝みながら、安息の時を迎えた。
そして、午前10時半。
十分とは言えないながらも、一時回復が認められる程度の睡眠を取った○○は、まだ眠い眼を擦りながら、ゆっくりとベッドから這い出した。
眠気を振り払うため、起き抜け一番に顔を洗おうと洗面所に立った彼女は、驚くべき光景を目にした。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁーー!!!!!!」