□ハートレンジャー編

□もの申す!!
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「全く。恥も外分も何もないのか、あの二人は」
「あ、青山さん。青山さんは何かありますか?」

 わーわーと言い合う赤木と黒峰を横目に、青山はちゃっかり椅子に座った。

「ちゃっかり……まあ、いい。そうだな、今から述べる要望を書き留めてくれ。一、科学者として科学的根拠のない事柄を口にすることははばかられる。今後、そのようなことがないようにお願いしたい」
「なるほど」
「二、私の目線で、○○と他の――「お黙んなさいっ!!!」
「か、神谷さん!!」

 二つ目の要望を述べかけたその時、鬼の形相をした神谷がバーンと机を叩いた。

「玲ちゃん、あんたね。贅沢なのよ!!」

 ピシッと指で青山を指し示した。

「どう考えても、ここで一番待遇がいいのはあんたでしょ!それを二つも要望を出す気!?我が儘もいい加減にしてちょうだい!!」
「確かに話の数が多いのは事実だが、中には私が悶々と見守っている話だってある」
「なに言っちゃってるの!!たった一話でしょ?私はその一話すらないのよ。この場合、要望を出していいのは、話がない私とゼロちゃんざんしょ!!」
「僕、ここのサイトにほとんど出てない」

(なんか面倒なことになってきたなぁ…)

 ○○が再びため息を吐いた次の瞬間、ブリーフィングルームのドアが勢いよく開いた。

「それならオレっちにだって権利があるぜ!!」
「私もです。マドモアゼル」

(また面倒なのが…)

「ジュ、ジュテーム!!貴様、どうやってここに来た!!」
「その様なことを気にするのは青二才の証拠ですよ。今はスルーするのが、大人の判断です」
「なに――」
「玲ちゃん、尺の問題だから。大人にならなくちゃ♪」
「猿飛まで――クソッ!!」

 ジュテーム、ウルフ、猿飛、青山の舌戦を横目に、○○はJガーディアンズの防衛機能の強化を要望書に書き加えていた。

 そこへ、隙を見つけ近付いてきたダークが○○にそっと声を掛けた。

「ワイも要望、ええか?」
「えっ?ダークもあるの?」

 驚き、ダークを見つめる○○に、咳払いを一つして、話し出した。

「早よ、ワイの連載書いてくれや」
「連、載…?」
「せや。噂では、ワイと超人ボーイの連載の構想を練っとるらしいんや」
「……知らなかった」

 ちゃっかりと次回の連載の宣伝をしたダークであったが、しかし!その話はまだ構想中の為、期待をしないで待っていてもらいたいのである。

「と言うことは、私の話も構想中と言うことでしょうか?」

 その通りなのである!

「残念ですね。年甲斐もなく少し楽しみにしていたのですが…」

 しばし待つのである!

(九楽さん…誰と話してるんだろう…)

「構想があるだけ、いいっての!オレっちなんか何にもないんだぜ!!」
「しかし、ウルフ殿は生きているではありませんか。私は、飛ばされる、殺されるで酷い扱いなのですよ」
「出番があるだけマシだっての!!オレっち、ダークに話し掛ける、ゼータに話し掛ける…脇役ばっかじゃん!!」

 ウルフが己の不遇を訴えていると、突然ブリーフィングルームに時空の歪みが発生したのであった。

「本当、くだらないね」

 歪みから現れたゼータは、わーわーと言い合う大の大人達を見下ろして呟いた。

「なんや、ゼータ。ワイも要望を言いにきたんか?」

「馬鹿馬鹿しい。何で僕がそんなことをしなくちゃいけないワケ?こんな茶番に付き合う暇は僕にはないね」
「なんやとーっ!!」
「だけど、一つ言わせてもらうとしたら、こんなむさ苦しい輩の話を書くくらいなら、僕の話を書いた方が訪問者数が増えるはずだよ」

 興味がなさそうな顔をしていたゼーダだったが、自分の話がないことをひどく気にしているのであった。

「ち、違う!!」

 いや、違わないのである!!

 シュイイーーン

「グッドモーニング!!○○さん、要望書は書けたかな?って、あれ?どうして、メノスまでいるんだい?」
「ワイらはその件で、Jガーディアンズに来たんや」
「そうですよ。青虫との浮気話ではなく、やはりここは私とマドモアゼルとの濃厚で甘美なる愛のまぐ――ぐはっ!!」
「黙れ、猥褻吸血鬼!!ここは管理人の贔屓である私の話をメインに据えるのが真っ当だろう!!」
「いーえ!男女雇用機会均等法に則って、私の話を加えることを要求するわ!!」
「桃ちゃんも男でしょ!?ここはオレのハッピーな話を要求すべきだよ〜」
「待て!!仲間割れはよくないぞ!!ここは公平にリーダーである俺の要求からと言うことで――」
「――だりぃ」

 わらわらと集まってきたラブピメンバーは、口々自己主張をした。
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