□夢小説(STRANGE PRADISE)
□12.出現
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フラフラと歩いた“あの場所”までの道。
キミが消えた“あの場所”
あの日から、来ることができなかった場所。
何かを乗り越えられたから、何かに区切りをつけるため...そんなカッコいい理由なんてなくて、ただあの時に戻れるような気がして、誘われるようにして来てしまった。
喧騒に身を置きながら、何も聞こえてこない。
通りすぎる人たちは皆忙しそうで、一人佇むオレの存在に誰一人として気付かない。
少し遠くから見つめるその場所は、至って普通の場所。
ぽっかり空いたブラックホールも異次元へ続く扉もない。
今も誰かが佇み、そして去る。
そんな場所。
あの日、あの時、一体なにが起こったのか、いくら調べてもわからなかった。
わかっていることはキミが消えたということだけ。