□夢小説(Blue blood)

□11.青い鳥
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 青山さんが目覚めてから、五日間が過ぎた。

 千鳥さんは青山さんに、三日間の休みを命じたようだったけど、休んでいた間の仕事を片付けてしまわないと後々追い込まれるという理由で、次の日から即仕事に復帰していた。

 それはいつものペース。

 以前なら、青山さんに会えないと寂しさが募ったりしたけれど、今は仕事が出来て元気にしていることに、嬉しさを感じていたりする。

 日常ってありがたいのだと感じた。


「さて…と」

 机の上の書類をひとまとめにして、PCの電源をおとす。
 私は定時に上がって、トレーニングルームに向かった。


 シュイイーーーン!!

「○○ちゃん、お疲れ〜♪」
「こんばんは。用意、手伝うね。」

 今日は青山さんの復帰パーティー。

 猿飛くんは出張イエローマンの段取りをしていた。

 壁に掛けられた【玲ちゃん、復帰おめでとう!!】の文字を見て、口元が緩む。

 こうやって祝ってくれる仲間がいるってことは本当に幸せなことだと思う。

「じゃ、そっちにグラスとかカトラリー類を置いてくれる?」
「うん、了解。」

 私たちは二人でいそいそと段取りを進めた――

「さて、これで終わりかな?○○ちゃん、お疲れさま。」

 美味しそうなオードブルにスイーツ。そして、メインの3種のカレー。
 後はみんなが集まるのを待つのみ。

「はぁ〜、お腹空いたな。みんなまだかな〜?」
「今7時15分だし、もうすぐ来るんじゃない?」
「そうだね。」

 時計を見上げながら、私たちはみんなを待った。

 10分後

 シュイイーーーン!!

「おっ、スゴいねー。」
「お待たせ〜★」とぞろぞろとみんなが集まりだした。

「忙しいところ、すまなかったな。」
「いいえ〜♪」

 休まないのなら、復帰パーティーを受け入れるように!との長官命令が下っていた青山さんは、今日のパーティーの主旨を知っていた。
 だから、入ってくるなり猿飛くんにお礼の挨拶。
 きっと来る途中にも、みんなに言っていたんだろうなぁ。

「○○、今日はありがとう。」
「いえ。青山さん、復帰おめで……」
「それはこれから!さっさと二人の世界に入らないでよ〜。」

 二人の世界って…

 そう指摘されて、私たちは赤くなった。

「司会のゼロです。」

 ゼロくんがマイクを握り、進行を始めた。

「青山氏の復帰パーティーを始めます。グラスを手に持ってください。千鳥長官から挨拶です。乾杯もしてください。はい。」

 千鳥さんは壇上へ歩み出た。

「えー、ただいまご紹介に預かりました、千鳥だよ。今日は玲士の―――」

 そう話し始めてから、みんなはしまったという顔をし出した。
 そう、千鳥さんの話は無駄に長い。
 いつもはそれとなくスルーしているのだが、今日はみんな手にしているお酒が温くなることに一抹の不安を抱いていた。

「相変わらず、ですね。」
「あぁ、最低…後3分48秒は掛かるだろうな。」

 3分48秒、か…
 こちらも相変わらずだな。

 そう思って私は笑った。

「――以上、これで僕の挨拶はおしまい。では、引き続き乾杯の音頭を取らせてもらうよ。」

 みんなの空気が、一気にほっとしたものへと変わり、グラスを胸元に持ち直した。

「では!――玲士と○○さんの“婚約”を祝ってカンパーイ!!!!」
「「「カンパーイ!!!!」」」

「え?」
「へ?」

 私たちが呆気にとられた瞬間、千鳥さんの後ろにある垂れ幕がポトリと落ち、
『玲士&○○ 婚約おめでとう!!』
の文字に変わった。

 こ〜んやく!こ〜んやく!!という盛大な声と共に潜んでいたJガーディアンズ職員が湧いて出てきた!

「な、なんだ!?……○○、知っていたのか?」
「知り、知りませんよ!!」

 私はブンブン首を振って、思いっきり否定する。

「驚かせちゃったかな?」

 千鳥さんは再びマイクを持ち話し出した。

「玲士、○○さん。おめでとう。みんなでお祝いしたくてね。と言うわけで、今日は楽しもう!」

 それから、私たちはいろんな人からお祝いの言葉をいただき、鯛や平目の舞踊りやカーニバル、獅子舞を見ながら、賑やかな時を過ごしたのだった。
 

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