小説投稿場

皆さんの書いた3Rの出てくるGE小説(パロディやらR-15)を投稿して下さい!

※注意※
R-18のグロやらホラーは大丈夫ですが、あの…その、そっち系はピュアな奴とかいそうなんで禁止です←

3Rの中でCP組ませるのは禁止ですよ←
僕は別に構わないけど、後の二人は何て言うかわからんしw

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((3R本人達も小説書き込み可能))
学パロやら、現実パロやらもオッケーですよ!

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02/06(Mon) 18:30
自分。《2―水―》
水刻 狼旋/蝋燭

落ちていた。
深い深い、穴の底へ向かって落ちている感じだった。
体を支えるものが何も無く、背中に風を切る感触がある。
いや、違う。
自分は確かに落ちているのだが、それは「落ちる」では無く「沈む」に近かった。
体には空気というよりも水に近いものが触れていた。
このまま溺れ死ぬのか――そう思い、ふっと自嘲の笑みがこぼれる。
口元から泡が漏れ、彼とは逆の方向へ上がっていく。
息を吸ってみた。
難なく吸えた。
ごく普通の、いつも吸っている空気だ。
鼻腔のギリギリまで水はあるのに、呼吸をしようと試みると何処からともなく空気が流れ込んでくる。
息を吐く時は、先ほどと同じように気泡となって出てくる。
不思議な水だ、と思った。
なんだか、このまま死ぬんだと思うと、全てを簡単に見れるような、そんな感じがした。

目の前に何か映った。
水が幕のようになり、ちょうど映画を見るような感じになる。
死に行く俺へのメッセージでも上映するのだろうか、と思ったが、同時に彼は―狼旋は、半ばどうでもいいように思った。
そこには、かつての仲間たちが映っていた。
リアンと、レイジ、闇斗を始め、リンドウ、コウタ、アリサ、サクヤ、次々と仲間たちが映し出される。
皆、今までと特に変わりがなかった―ように思えた―。
やはり、そんなものなのだ。
所詮、人とはいえゴッドイーターだ。
死んだ者は早々に忘れ去られる。
俺は、今までそんな世界で何を必死になっていたのだろう。
笑みがこぼれる。
微笑みから、それは大きな笑い声へと変わった。
笑って、笑って、笑い続けた。
水の中でどうして笑うことが出来るのか。そんなことは今の彼にはどうでもよかった。
俺は、何をしていたんだ。
結局、何も変えられなかったのか。

笑い疲れた。
また、ただただ静かに沈んでいくだけになった。
もう、いい。
そろそろ、俺を殺してくれないか。
もう、どうでもよくなった――

また、水に映像が映し出される。
今度は何を見せようというのだ。

それは、レイジだった。
それは、リアンだった。
それは、かつて狼旋と共に笑いあった仲間たちだった。
皆、笑っていた。
底抜けに明るい、まるで心に一点の汚れもないような幼児が浮かべるような笑みだった。
しかし、何処か歪んでいた。
明るすぎて、それは暗く見えた。
しばらくの間、彼は映し出される友の顔を見続けていた。
その原因が何なのか。
終に、わからないまま映像は消えた。

彼らの笑顔は歪んでいた。
何故なのか、わからなかった。
唐突に、胸が苦しくなった。
呼吸が出来なくなったわけではない。
空気は今も流れ込んでいる。
そんな外からの苦しさではなく、それは内側からの「苦痛」だった。
そのとき、彼は悟った。
何も残せないまま死ぬ、というのは、こんなにも苦しいものなのか。
こんなにも、悲しいものなのか。
胸の痛みは一層強くなった。苦しい。死にそうだ。
嫌だ。このまま死ぬのは嫌だ。何も残せないまま、散りたくはない。
戻りたい。戻って、やり直したい。
今度こそ、何か残すんだ。どんな小さなことでも、人々の心に、何か。
次にここへ戻るとき、今度は後悔しないように。

もがく。
水面へ向かい、必死にもがいた。
いつの間にか、胸の苦しみも、周りの水も、感じられなくなっていた。
ただ一心に、光の差す方へ。



気が付けば、そこはあの場所―贖罪の街、だった。

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