小説投稿場

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R-18のグロやらホラーは大丈夫ですが、あの…その、そっち系はピュアな奴とかいそうなんで禁止です←

3Rの中でCP組ませるのは禁止ですよ←
僕は別に構わないけど、後の二人は何て言うかわからんしw

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02/06(Mon) 18:30
自分。《2―風―》
水刻 狼旋/蝋燭

目を開けてみた。
空、だった。
周りはうっすらと霧がかかっており、そよ風が吹いている。
勿論、レイジは空など飛んだことはないから(飛べそうではあるが)それは推測に過ぎない。
だが、なんとなく空だろう、という気がした。
盾であの矢を受け止め、そして俺はどうなったのか。
狼旋は、リアンは、無事なのだろうか。
何故、俺はここに居るのだろうか。

とりあえず、動いてみた。
水の中を進むように霧を掻き分け、前へ進んでみる。
下を覗いてみた。
あれは鎮魂の廃寺だろうか。
そこに、見覚えのある影が二つ。
狼旋と、リアンだ。服装と神機でわかる。どうやら何かと戦っているらしい。
あれは多分、シユウだ。
通常種が、一匹。
まだ戦い始めたばかりなのか、そのシユウにはまだまだ力が有り余っているように見える。
シユウが光弾を連射する。二人はそれぞれ左右に避ける。
狼旋がその隙を突き、シユウへと突っ込んでいく。
そのまま、力任せに足へと斬撃を叩き込む。
リアンも、それに続く。
二人の攻撃に対し、シユウは煩わしげに足元へ光弾を叩きつける。
「危ないっ!!」
レイジは咄嗟に叫んでいた。
レイジの心配どおり、二人は足元での爆発に吹っ飛ばされる。
何故だ。
リアンはともかく←、狼旋ならばシユウに対し足元への斬撃など無意味だとわかりそうなものだが。
さらに彼の刀身は「クラウディア」、切断と貫通性能が高い。
よって、足は狙わず頭部や翼手を狙うのが定石である。それなのに。
それでも、彼らは怯む様子もなくまた斬りかかっていく。
いつの間にか、はるか上空でそれを眺めていたはずなのに、レイジの目線は狼旋達とほぼ同じくらいの高さになっていた。
斬りかかる。光弾で吹き飛ばされる。また斬りかかる。今度は翼手でなぎ払われる。
いまや二人の体はボロボロになっていた。
あちこちが焼け焦げ、裂けている。
対するシユウの方も、それは凄絶としか言いようがなかった。
脚には無数の斬り傷。かなり深いが、そもそもシユウに脚からのダメージは少ない。それが返ってシユウに苦痛を与えていた。
またも二人が斬りかかる。
流石のシユウも、傷口を抉るように切り裂かれては堪らないのか、その場に片膝を付く。
それを見て、一気に勝負をつけようと二人が斬りかかる。
頭を、翼手を、胴体を、脚を、拳を。あらゆる部位が裂かれ、喰われていく。
いくらなんでも、それは狂気の沙汰に思えた。
彼らを動かすものが何か、それはいまやはっきりしていた。
「怒り」だ。
仲間を奪った荒神への「怒り」。
もしも自分がこの場所に居たなら。
きっと自分は、指示を出していただろう。
頭を狙え。翼手から目を離すな、と。
その上で、彼らの状況を判断し、戦場を常に優位に立てるよう進めていく。それが俺の役目だ。
ナルシストな言い方になるかもしれないが、きっとこの二人は、レイジという司令塔があって初めて実力を出せるのではないか。
いや、きっと誰が欠けてもいけない。三人そろって、初めて百パーセントの―否、それ以上の力が出せるのだ。
その証拠がこれだ。
いまや彼らは怒りのままに神機を叩きつけるだけ。
作戦も、データも、道具も、一切使わない。
相手を消すまで、何をしても止まらない。正しく狂戦士だ。
こんな彼らは、駄目だ。
俺が行って、教えてやらねば。
「怒り」からは、「怒り」しか生まない、と。


風が吹いた。
レイジを元の高みへと、風が連れ去ろうとしていた。
駄目だ。
今、離れるわけにはいかない。
彼らを、このまま放置することは出来ない。
このままでは、あのときの、暖かく明るい彼らには、二度と戻れなくなってしまう―
風に逆らう。
強風の中を歩くように、両手で目を風から守り、一歩一歩進んでいく。
霧が濃くなる。
二人の姿が薄れていく。
駄目だ。
やめろ。
もうこれ以上、彼らを変えないでくれ。
駆け出す。
二人の方へ、遥か下界へと。
俺は―
俺はまだ、死ねない。この二人のためにも。







風がやみ、霧が晴れた。

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