小説投稿場

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R-18のグロやらホラーは大丈夫ですが、あの…その、そっち系はピュアな奴とかいそうなんで禁止です←

3Rの中でCP組ませるのは禁止ですよ←
僕は別に構わないけど、後の二人は何て言うかわからんしw

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11/06(Tue) 21:45
自分。<8>
水刻 狼旋/蝋燭

暗い、暗い、世界だった。
何も無い闇。歩けど歩けど、何も無い。
何に躓くことも無く、何かが見えることも無い。
音も、温もりも、冷たさも、感覚すらも。何もかもが存在しない、闇。
自分の姿は辛うじて認識できた。
できていた、はずだった。
闇に、一筋の光が射す。
ああ、また自分はこの夢を見ているのか。
彼女は、はあ、と息をつく。
正確には、ついた気になっただけであったが。
もう、何度目だろうか。
そう思いつつも、彼女の足は光の方向を向く。
これもまた、「気がした」だけだったが。
歩き出す。歩いて歩いて、やがて走り出す。
嫌だなあ。もう自分は知っている筈なのに。
この後何が起きるのか。
それなのに。それなのに。
それなのにこの体は光を求めてしまう。
息があがり、駆ける足も速度を落としていく。
その時、さっ、と唐突に光が消える。
消える、というより何かもっと強い闇に「かき消された」様であった。
やはり、こうなるのだ。
この光にたどり着けたことは、今まで一度も無い。
必ず途中でかき消されてしまう。
立ち止まり息を整える。自分自身への嘲笑が漏れた。気がした。
その顔は、安堵と寂しさとが入り混じった表情を浮かべていた。無論、それを見る者は居ないのだが。
気づけば、「自分」が見えなくなっていた。
確かに「ここ」にあるはずなのに。まるでそれは、他人のもののようで。
苦しい。
徐々に、指先足先の感覚が薄れていく。
嫌だ。このまま消えるのは。闇に飲まれてしまうのは。
もがく。「自分」が消えてしまわぬように。「ここ」に在ることを、確かめるかのように。
叫ぶ。
苦しい。
誰か、「私」に。

この闇に、もう一度光を。


「ああああああああああああああああっ!!」
叫び声を上げつつ跳ね起きたそこは、よく見慣れた病室であった。
傍らには、狼旋とレイジだろうか。
まだ朦朧とする頭を振り、目を覚まそうとすると、レイジはどこかへ出て行ってしまった。
自分が病室に居たことから察するに、救護班の医者でも呼びに行ったのだろう。
枕元の時計は朝の八時を指していた。
おそらく自分が眠っている間に運ばれたのだろう。
でも、何故私は病室などに居るのだろう。
「あのさ・・・これ・・・」
たどたどしい口調でそう尋ねると、狼旋はやや言いづらそうに、それでも「何かに酷く魘されていた」と答えてくれた。
「・・・そっか・・・」
夜中に魘されたのは実はこれが初めてではなかった。
実のところ、ここ最近は毎日のように例の夢を見、そのたび寝具周辺を荒らしてしまっている。
必要最低限のものだけしか置いていなかったこともあり大怪我をしたりは無かったが、それでもやはり怖かった。
自分が傷つくのがではない。
人を傷つけてしまうのが、だ。
沈黙が訪れる。
先程夢に見たのとは違い、どこか心安らぐ沈黙だった。
病室に運ばれた際、及びその前後で二人を傷つけなかったか聞きたかったが、その気持ちは言葉にはならなかった。

少ししてレイジが戻ってきたが、予想に反して医者などはついていなかった。
代わりに何故かツバキがついていたが、リアンの顔を見てすぐに病室を去ってしまった。




リアンが目を覚ましてから、およそ二時間後。
三人は榊の研究室前に立っていた。
・・・いや、正確にはリアンは車椅子だったのだが。
病み上がりに無理をさせるな、というツバキからの命令らしいが、リアンには正直迷惑に感じられた。
もう自力で歩けるし、食事も少量ながら摂れた。
だが流石にここで無理をして倒れたりしては元も子もないので、仕方なく従ってはいるが。

インターホンを押し、返答を待つ。
すぐに榊の声で「ハイハイ、何方?」と尋ねられる。
レイジが「レイジ、狼旋、リアンです。・・・リアンが目を覚ましたら来い、とのことでしたので」と答える。
何故か一拍おいて「わかった、入りたまえ」と返ってくる。
ドアのロックが解除され、榊の部屋への道が開ける。
中では榊が、無数のコンピュータと一体となった机に肘を突き、顔の前で手を組合わせて座っていた。

扉から数歩進んだところで三人は立ち止まり、榊の言葉を待つ。
暫し、沈黙が訪れる。
榊の顔からは何も読み取れなかったが、レイジと狼旋には、先程のツバキとの会話の内容から「榊は未だに話すべきかどうか迷っているのだ」と察することができた。
だがその沈黙も数分ほどで破られる。

「覚悟は決めた。三人とも、これを見たまえ」
「・・・はい」
榊が立ち上がり、そのまま三歩ほど後ずさる。
そうしてできた隙間に、狼旋、レイジ、リアンの三人が入り込み、パソコンの画面を覗き込む。



そこには、見たことも無い生物―おそらくは荒神だろう―についてのレポートが綴られていた。

PC
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