小説投稿場

皆さんの書いた3Rの出てくるGE小説(パロディやらR-15)を投稿して下さい!

※注意※
R-18のグロやらホラーは大丈夫ですが、あの…その、そっち系はピュアな奴とかいそうなんで禁止です←

3Rの中でCP組ませるのは禁止ですよ←
僕は別に構わないけど、後の二人は何て言うかわからんしw

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((3R本人達も小説書き込み可能))
学パロやら、現実パロやらもオッケーですよ!

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09/22(Sun) 16:53
自分。<14>
水刻 狼旋

ひゅうひゅうと物悲しげな音をたて風が吹く廃墟。
廃墟の上空から『贖罪の街』を見下ろすソレは、街の一角に目をやる。
丁度、護送車に運ばれて三人ほどの人間が運ばれてきたところだった。
―見覚えがある。
三人の服装や顔つき、そして片手に携えた武器はどれも見覚えがあるものばかりだった。
何より、自分が植えつけた『悪夢』のニオイがする。
それにしても、『悪夢』を受けこう長く生き残ったものは初めてだった。
ソレはひらりと身を翻すと、贖罪の街に降り立った。

「・・・」
護送車で運ばれる途中、三人は終始無言だった。
誰からも口を開こうとしない。榊からの連絡にもから返事で応じるばかりで、だれも言葉は発しない。
怖かった。自分の言葉が、皆の心の危うい均衡を壊してしまうのではないか。少なくとも狼旋はそう思っていた。

街はいつもの通りだった。
乾いた風が吹く以外には物音ひとつない静寂。
そこが草原であったならばよく眠れそうだ、と狼旋は無理にでも気持ちを落ち着かせようとする。
心がざわつく。それは二人も例外ではないのが感じられる。
護送車を降り最初の小道を曲がった先の広場に足を踏み入れたその瞬間。
贖罪の町にて、二者が再び相対した。



狼旋は剣を構えつつ前方へ駆け出す。
リアンもそれに続き走り出す。
レイジは神機を銃へと変え、後方から数発の弾丸を撃ち込む。
弾丸は二人の脇をすり抜け、二人の位置から丁度死角となっている空間を裂いていく。
いつも通りの、先制攻撃の陣。こんな状況でも何の掛け声もなく作り上げられるのは訓練の賜物か、それとも本能か。
先を行く弾丸はそのまま前方の大男―キリストへと進路を変え、そのまま命中。
もうもうと土煙を上げるキリストめがけ狼旋は飛びかかり、そのまま体を一回転させる勢いで縦に斬りつけ、キリストの背後に着地。そのまま神機を捕食形態へと変形させる。
キリストがゆっくりと後ろを向き、左手に光を溜め始めたその時。
キリストの背中に強烈な衝撃。リアンががら空きになったキリストの背中を横一文字に薙いだのだ。
そしてその勢いのまま、リアンはキリストの背中を蹴り宙を舞う。体をひねりつつ神機を変形させ、着地するころにはすでにバレットの装填は終わっている。
そのまま銃を乱射しレイジと二人分の弾幕を張る。
背後からの猛攻に苛立ったようにキリストが振り返ろうとすると、今度は捕喰体制の整った狼旋の神機が唸りを挙げてキリストの右脚に噛みつく。
断ち切るとまではいかなかったが、それでも肉をごっそりと引きちぎる。
そのまま剣による乱打を叩き込もうとしたその時。
キリストの眼が、ギラリと輝いた。


頭が、ざわつく。


何故だろう。涙が、あふれて。


居たはずのものが、みえない。いないはずのものが、ソコニイル・・・


痛い。痛い。いたい。いたい。


悲しい。哀しい。辛い。つらい。なきたい。ねむりたい。ネムリタクナイ。コワイ。


ミエナイ。ミエル。イル。イナイ。



「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」



気づいた。

水だった。闇だった。風だった。

静かな水面。闇の中にともる光。戦場を駆け抜ける風。

『恐怖』とは、自分の中にこそ宿るもので。

それは、『希望』とは表裏のような存在で。

だからこそ、他人には理解できない。

だからこそ、他人に癒しを求める。

水の中で。闇の中で。風の中で。

いつの間にか、三人は手を繋いでいた。

「感応現象―」
何も言わなかった。
ただ、手のひらの温もりがあれば何も要らなかった。
頷き合う。頷き合った。
笑みが零れる。
長い長い夢を見ていたような気がした。


その時だった。
三人の空間に、声が響く。
重く禍々しい、そしてどこか哀しげな声は、嘆きの音を轟かせていた。
人に作られしアラガミ、キリスト。その悲痛な叫びは、文字通り三人の心に染み渡る。

前代未聞だった。この瞬間、三人と一体の心は、感応により繋がったのだ。

PC
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