天泣の調べ

□歪んだ道の歩み始め
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【緑の石版は此処、フィローネの森を指しています。
マスターリンク、この森で女神様に関する像又は遺跡を捜す事を推奨します】
古代の文字で書かれた言葉を翻訳してくれたファイに感謝の意を伝えフィローネの森に有る建物を訪れる事にしたリンク。
ギラヒムと分かれた所から一番近かったのが封印の神殿だった為、今其処を訪れて居る。
「あっ…そうだ。ファイ、ちょっとだけ良いかな?」
リンクの目に有るものが留まり、神殿から少し道を変え螺旋状の坂道を降りる。
フィローネの森で螺旋状の坂道があるのは限られた場所にしか無い。
「…魔王様に挨拶しておこうかなって」
【マスターの育ての親と呼ばれる方でしたね】
「ソレも有るけど、助けてあげられるってのと暫く来れないから」
女神によって封印され大地に突き刺さっている楔に触れていると人の気配を感じ神殿へと向けば赤いローブを被った老婆の姿を確認する。
「主は女神様に選ばれた勇者の定めを負う者か」
「誰!?」
この森に自分以外の人が居た事に驚き、マスターソードの柄に手を掛けるリンクの反応は当然の事かのように話し出す老婆。
「此処では少し話ずらい。済まぬが…此処まで登って来てもらえぬか?」
老婆に敵意が無い事は分かったが、警戒心は中々解けないリンクにファイが
助言する。
【マスター、あの人物は女神の使いであるシーカー族のマークを身に付けています。
マスターは本来勇者として《今初めて、この大地に降り立った》事となっているのです】
「って事は『勇者』っとして従わないとダメってことか〜」
【『勇者』を名乗れば、より広く信憑性の高い情報を得られる確率80%】
確かに魔族と名乗るよりも『勇者』と名乗ったほうが良い場面も有るかも知れない…そう考えると問題が1つ。
「ギラヒムから借りている剣、どーしよう」
【隠す事を推奨します。】



封印の神殿に入り、老婆の話を幾度か眠り掛けたリンクだったがファイによって、その度に起こされ勇者として定められた事やるべき事を女神様を守る事等聞かされるがリンクの頭の中は興味無いの一点だった。
重要な事はファイがちゃんと聞いているであろうと思い、自分は今頃ギラヒムは何をしてるんだろうかキュイ族可愛いな、ファイへの労いの言葉を考えていると話は終わったようで。
「まず、天望の神殿にいくのじゃ。後に女神様も訪れ身を清められるであろう…
其処で女神様と会い、共に行動するのじゃ」
「天望の神殿だね、わかった。行こう、ファイ」
次に行くべき場所が分かり老婆に背を向け神殿へと歩を進める。
其処で女神とは合流することも無く旅を共にする事も無いっと思いながら…
 キュイ族達から天望の神殿の居場所を教えてもらい行こうとした矢先、キュイ族のマチャーの叫び声と共にファイが現れる。
何かのアドバイスかと身構えたが、ファイは封印の神殿の方角を向き。
【ギラヒムがゼルダ様をこの地に呼び寄せたもよう…しかし、先程の老婆に
阻まれたようです】
「嘘!?助けに行ったほうが良いかな…」
リンクの言葉に首を横に振り否定の言葉を伝えるファイ。
女神の使いに『勇者』が魔族側だと知られてはいけないっと。
だからこそ、たった一言だけ答える。
【大丈夫です、マイマスター】
「そう…だよね。ギラヒムなら大丈夫」
魔族長だと豪語する彼の実力を知っているからこそ、自分は自分の道を行く
彼を信じているからこそ歩みを止めない。止めてはならないと。
それが歪んだ棘道だとしても。




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