yukinovel

□君に落ちる太陽【グラウンド】
2ページ/5ページ






嫌いだった…








長い手脚に白衣を纏って

不機嫌そうにタバコをふかして






「面倒だけは起こすんじゃねぇぞ……」




初めて聞いた、耳に響く低い声




「……どういう意味ですか?」




「分からねーか?ここは男子校も同然なんだ。お前みたいのが入ってくれば、騒ぎになるのは目に見えてる……。問題でも起こされたら面倒くせぇんだよ。」




面倒くさい



そう言われて


まるで、自分自身を否定されてるみたいで……






自分の身くらい自分で守れ……って




不安で仕方なかったのに

冷たく突き放されて



いかにも厄介者みたいに
私のことを見ていた……













「あのっ……先生っ……」




廊下で呼び止めても





「何だっ……」





怒ったように、睨むから



聞きたい事も聞けなくて



いつも俯くしかなかった……







だから


大嫌いだった……
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ