Harry Potter

□らぶ☆あたっく! 5話 自分の欲求には従ったモン勝ち
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「あ、ドラコ!
あれ!みんながいる!!」



らぶ☆あたっく! 5話 自分の欲求には従ったモン勝ち



「ふぅ…、なんとか追いついたな」

一年生の列の最後尾にさりげなく混じって、ドラコがため息をつきながら言った。

「なんかいっぱい歩いた気がするね」

「誰かさんが何度も迷子になったからな」

「ごほんっ」


…結局ドラコに手を引いてもらったあと、どうなったかというと。





再び迷っていました。





『この大岩…、さっきも見なかった?』
『戻ってきたのか…。
やっぱり君に任せるべきじゃないな』
『あっ、ひどい!
あたしのせいって言うんだ!!』
『それ以外に原因があるかい?』
『あるよ!
この森がこんなに広くなかったら迷わないって!

『…森のせいにした…。

もういい、僕が先を行く』


というやり取りの後、ドラコが先頭を歩いた。

すると、なんということでしょう。





一発で森抜けました。
ん?どういうことかな?



そして道っぽい所を小走りで行くと、一年の群れが見えたのだ。


「みんな、ホグワーツがまもなく見えるぞ」

ハグリッドが振り返って言った。


「ホグワーツ、楽しみだね」
「あぁ」

未だに繋いでる手を大きく振りながら、ドラコに言った。

すると、ドラコもちょっと笑って頷いてくれた。
ぐふっ、可愛いよ!!



「うぉーーっ!」


周りの一年生が一斉に叫んだ。
何?着いたの?

原因はすぐに分かった。

狭い道が急に開け、大きな黒い湖のほとりに出たのだ。
湖の向こう岸に高い山がそびえ、そのてっぺんに壮大な城が見えた。
大小さまざまな塔が立ち並び、キラキラと輝く窓が星空に浮かび上がってる。


「あっ、あのボートに乗るっぽいよ!」

周りの子たちの動きから、何をするべきか察知したあたしは、素早くボートに乗ってドラコに手招きした。


「みんな乗ったか?」

ハグリッドが大声で聞いた。
他のボートでは四人ぐらいで一つのボートだけど、ハグリッドだけは一人でボートに乗っていた。そりゃそうか。


「よーし、では、進めぇ!」

ボートが一斉に動き出した。

うわっ、あたしボート初めて乗った!
しかも隣にはドラコ…。


「ムフフフフ…」
「ゴンベエ…?」

興奮が抑えきれないぜ!!


「頭、下げぇー!」

え?頭?

ハグリッドの掛け声の意味が分からずきょろきょろしていると、額に小さな衝撃を感じた。


「あだっ」

小さく悲鳴を上げて急いで顔を上げると、大量の蔦が目の前に迫ってきていた。

「わっわっ」

突然過ぎる状況に、あたしは頭も下げずに慌てていたけど、

「わほぅ?!」

いきなり腕が横に引っ張られて、そのまま上体が傾いていくことにもっと慌てた。
ていうか変な声でた。

きゃー、倒れるゥウ!



「頭を下げればいいだろう」


いやんドラコってば!正論だね!






…このままドラコに抱きついても事故ってことになるかな?





「いやいや、びっくりしすぎて頭ん中真っ白になってさー。
何も考えられなかったんだよ」
「そうなのか?」
「そうそう」

「…ところでゴンベエ。
何してるんだ?」


「え、何って、事故によるアレでドラコに引っ付いてます

アレって何だとか、そーゆー質問は受け付けませんよ!

「事故?」

「そう事故です決して下心があって抱きついてるんじゃないんです抱きつくギリギリでなんとか踏み止まったけど事故によるアレでキャッホー…






事故です


見よ、この華麗なノンブレス!!


「なんか最後の方かなり気になったんだが…」
「気にするなんてナンセンスだぜ」

渋々ドラコの抱き心地MAXな腰から離れて、ドラコの隣に座った。せめてあと5時間は抱いていたかった。

とまぁ、なんか嬉しいハプニングを楽しんでいた間に、ボートは地下の船着き場に到着したみたいだ。


「ほらゴンベエ、行くぞ」
「ほーい」

トォオ!という掛け声と共にボートを蹴って、岩と小石の上へと飛び降りた。

そのときに石に躓いてこけそうになったのは内緒の話。


みんながハグリッドのランプの後についていく。

ゴツゴツした岩の路を登り、湿った草むらの城影の中にたどり着く。
石段を登り、巨大な樫の木の扉の前にみんなが集まった。


「みんな、いるか?
おまえさん、ちゃんとヒキガエル持っとるな?」

「う゛っ、ヒキガエル…」
「どうした?ゴンベエ」
「な、なんでもないよ、うん…」
「?」

カエルが苦手なんて、かっこ悪くて言えるわけない!

ドラコの前ではクールでかっこいいっつーキャラで通すんだッ!


ハグリッドが大きな握り拳を振り上げ、城の扉を三回叩いた。

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