△重婚不可▼

□3人+1匹の生活、の始まり
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「さて、本題です」

「うん、コレはしっかり決めないとね」


すぐに2人がサキトを取り合う喧嘩になるので
結局、サキトはノボリとクダリの間に座る事となった

ノボリは太股を、クダリは胸を
さも当然と言わんばかりに、極平然と触りまくっている

時刻は深夜

眠気に負けつつあるサキトは、もう突っ込む気力も怒る気力も無かった


「月曜は2人共定休で」

「金・土・日フルだからね
月曜日お休みじゃないと死んじゃう」

「問題は火曜でございます」


ノボリはサキトの太股を
クダリはサキトの胸をベタベタ触り
当の本人はうつらうつらしながら

2人はう〜ん、と考え込んだ


「ボク、夜勤やる!」

「いえ、ワタクシが」

「いいよ、ボクがやるって!」

「いえいえ、ワタクシが夜勤に出ます」


小さな寝息を立てるサキトを挟み、2人は険しい表情で睨み合う


「ヤダ!ノボリ早番 行って!」

「何を言うんですか!
クダリが早番を勤めなさい!」

「ヤダってば!
だってサキトと2人きりでH出来ないじゃん!」

「それはワタクシの台詞でございます!
はっきり言わせて頂きましょう
クダリ、貴方 邪魔です!」

「邪魔!?ノボリが邪魔なんだよ!
お兄ちゃんなら空気読んで!」

「そんな時ばっかり兄だからと…
貴方も弟なら兄を立てなさい!」

「え、もう勃ってんじゃないの?」

「えぇ、今すぐサキト様の美しい脚を舐め回したいです
それが何か?」

「ボクだってサキトのおっぱいに むしゃぶりつきたいよ!」


話から大幅に逸れ、興奮した2人はサキトの服を脱がしにかかった

そこでパチリとサキトの目が覚め、一瞬 沈黙が流れる

自身に置かれた状況を悟ったサキトは、2人に目潰しをした

けたたましい悲鳴を上げ、2は顔を覆って床を転げ回る

サキトは無言のままヘルガーをボールから出すと
ソファの上で抱っこをしながら、またうつらうつらとし始めた

ヘルガーはサキトの腕の中で
呻き声を漏らして悶えるノボリとクダリを、冷めた眼差しで見下ろす


「ほ、本題に戻りましょうか…」

「そ、そうだね…」


目を押さえながら、2人はよろよろと起き上がった

番犬・ヘルガーがいては、もうサキトにセクハラ

もとい、愛情表現をする事は不可能

大人しく話を進めていなくては、あの鋭い牙の餌食になってしまう

 
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