漆黒の月、緑の未確認生物
□ACCIDENT
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断界を進む一護。足元には霊子で出来た道が繋がっている。
『隊長。穿界門に異常はありません。そのまま直線に進んでください。』
伝令神機から鴉濂の声が聞こえた。
「おうよ!」
一護は軽く返事をしてさらに走るスピードを上げる。
その時、後ろの方から音が聞こえた。
一護は不思議に思い、後ろを振り向いた。
「!?」
迫って来るのは、高密度な斬撃。慌てて一護はそれを避ける。
「なんだ、今のは…」
そう呟いたが、また斬撃が襲って来る。
「鴉濂!!」
一護は伝令神機に声をかけて通信する。
『隊長!…ダメです。通信網が…』
そこでぷつりと通信が途切れ、ノイズしか聞こえなかった。
「おい…!!」
しかし、変わらずノイズしか聞こえなかった。
それに気を取られたのか、背後にいる敵に気付かなかった。
「貴様は完全に孤立した…」
「!?」
その声で初めて敵を認識する。
そして一護に手刀を入れた。
「…く…そ…」
そのまま一護の意識は闇に飲まれ、霊子で出来た道から落ちて行った。