白衣の男

□少年Sの悩み
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都内の男子校に通う現役高校3年生
達川駿(タチカワ シュン)には、
とある悩みがあった。




もうすぐ修学旅行だというある日、
その悩みが本当に悩むべきものであるかどうか
を確かめるべく、
駿は意を決したようにある場所に立ち寄った。

子供の頃からちょっとしたケガをしたり、
風邪を引くたびに良く訪れている町医者の所だ。



金沢医院という錆びれた看板のかかった内科と
泌尿器科を兼ねた小さな病院は、
現在は大先生と呼ばれている60代の医者の他に、
最近その跡を継ぐために家に戻っていたという
30代の医者…『若先生』という医者がいる。



17歳になったというのに小柄で貧弱な体つき、
顔つきまでも女の子の様に優しいツラである駿は、
修学旅行で行うのだと言うある試練に
立ち向かうべく、ここ数日自分自身と戦っていた。



その悩みについてもし、修学旅行の日までに解消出来る術があるならば、
気軽に話の出来そうな金沢委員の『若先生』に
ぜひその悩みの相談に乗ってもらいたいと思っていた。


駿は、とある思春期の若者特有の
身体症状に悩んでいたのだった。
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