昨日の彼方へ
□Destiny
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―――私の周りを流れる人間の影達。
この体育館という名を借りた密室の中、
舞い上がる塵と
影達の吐き出す二酸化炭素。
あぁ、なんて息苦しいのだろう。
全てに縛られ、詰められて。
いっそのこと……
‘’キーンコーンカーンコーン♪‘’
しんみりとしたチャイムの音が、授業の終わりを告げた。
「##NEME3##−ッ!!」
##NEME3##…##NEME4####NEME3##は、少し目を上げた。
友人の##DREAM5##が、汗をその頬に光らせながら駆け寄ってくる。
舞台にちょこんと腰掛け、足を宙ぶらりんにさせた##NEME3##の元につくと、晴れがましい笑顔で彼女を見上げる。
「##NEME3##が体育休むなんて珍しいね。なんかあったの?」
「んー、ア、アレが重くって……」
嘘ではなかった。
##NEME3##は今回痛みがひどく、体育ができる状況ではなかったのだが、休んでいる間にもうほぼ痛みがおさまったことは黙っていた。
「あーそーなんだぁ…大変だね。」
##NEME5##はそう言うと、額の汗を手の甲で拭った。
「あぁ、あっつ!」
「##NEME5##…汗、かきすぎだと思うんだけど。
言っとくが、今、真冬よ??」
「しょうがないじゃん。##NEME3##も見たでし
ょ?バスケだよ、バスケ!動かなくてどうする!」
「あーハイハイ……」
少し会話に熱が入ってきた##NEME5##をなだめ、##NEME3##は軽々と足元の舞台床を蹴り、彼女の横に着地した。
「もういいから、更衣室行こう。
次に遅れちゃう。」
「えっと……数学だっけ?!うわぁ、やだーっ」
甲高い声を上げて、先を急ぐ##NEME5##。
そんな彼女の後姿を見ながら、##NEME3##は思
った。
##NEME5##が、今さっきまで私が考えていた事を知ったら、どう思うだろう。
##NEME5##のことだ、「病んでる」とか言って、
笑うのだろうか。
そんなことを延々と頭の中で巡らしながら、
##NEME3##は前を行く友人の髪をなんとなく見つめていた。