忍夢と僕・2
□僕とナルトを見る目
1ページ/7ページ
僕の目の前には、拗ね倒すナルトがいる。
こうなった原因は、3年の間に起こったことを話したからだ。
砂の里に行っていたと伝えた瞬間からこの態度。
ナルトには、羅月を探しに行ったことと、記憶を取り戻したこと、世話になった風影一家の話をした。
妖狐のことは、口が裂けても言えない。
「なんで何も言わずに黙って行ったんだ!!」
『言ったらお前はどうした?ついてきただろうυ』
「当たり前だ!!」
『だから黙って行ったんだ。暗部総隊長が任務を放り投げてどうする。しかも、いつ帰れるかわからなかったんだぞ?』
「それはぁ……そうだけど…」
『お前がいないと部下も困るだろう?それに、里にとってお前は必要なんだ』
「――っ、わかってるよ!!」
少しは機嫌を治してくれたみたいだ。
まったく、ナルトといい我愛羅といい、手のかかる弟をもった気分になる。
「それで、その羅月はどこにいるんだ?」
『…鬼人に呼びに行かせたのだが、……遅いな』
あれからだいぶ時間はたつが、いまだに火影邸から戻ってこない。
羅月にかぎって心配は無用だとは思うが、念のために鬼人に探すよう頼んだのだ。
しかし、その鬼人も行方知れず。
どこで何をしてるのか、検討もつかない。
「……羅月って、本物の狼?」
『あぁ。サイズでいうと、鬼人の爪先がお前になるかな』
「……は?υ」
ナルトの顔が面白すぎて、思わずゲラゲラ笑ってしまった。
「女だろっ!!その笑い方やめろ!!」
『…差別だぞ、今の言葉!!』
至近距離の飛び蹴りを一発おみまいし、ひっくり返ったナルトの背中に片足を乗せる。
『砂の里でただ羅月を探していたわけではないぞ!!3年間、鬼による修行をみっちりばっちりこなしてきたのだからな!!』
「足をどけろ!!」
体術だけ凄まじく成長をとげた僕は、サバイバル経験のおかげもあって、風影からも絶賛の言葉をいただいた。
ムキムキになったらどうするんだと言った気もするが、腕や足を見れば、少しふっくらしている。
『(もはや手遅れ…)』
「…暗部総隊長に足を置くなんぞ、お主にしかできんわいυ」
『おわぁぁあ!!どっからわき出たこの老いぼれぇえ!!いきなり背後に現れるのはやめろ!!』
ナルトはサッとクナイを構えたが、火影だとわかるとそれをポーチにしまった。