忍夢と僕・2
□僕とカカシの鬼ごっこ
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それはいきなりのことだった。
僕は今火影邸にいるのだが、正座をし、火影とナルトとサスケに囲まれている。
火影は呆れた顔、ナルトは頭を抱え込みため息ばかりで、サスケの顔は真っ青だ。
そして、僕の目の前には羅月と残念な男が一人。
今のうちに言っておこう。
『僕は被害者だ!!』
さかのぼること、数時間前。
今日はアカデミーが休みということで、僕とナルトとサスケは修行をしていた。
『はすけぇぇえ!!』
佐「サスケだっ!!」
『黙らっしゃい!!』
などと言いながら、クナイをブンブン振り回し、切り傷だらけになっている。
あの体術がしたいと言うから付き合っているのだが、こいつのスピードに合わせるとどうもやりにくい。
おかげで体力は持つが、その代わり傷ばかりが増えていく。
鳴「よし、一度休憩しよう」
朝から昼までぶっ通しだった僕達は、崩れるように座り込んだ。
佐「いい加減名前で呼んだらどうだ!!」
『呼んでるじゃないか』
佐「はすけってな!!」
『さ行は苦手だ』
そう言い、水筒の中の水を一気に飲み干した僕は、すぐにクナイの手入れを始める。
これも我愛羅から教わったことの一つだ。
鳴「二人とも、お疲れさん」
佐「…どうだった?」
鳴「サスケは肩が開きすぎかな。当てにいくより、隙を見つけることから始めたほうがいい。でも、さっきの下からの攻めはタイミングが良かった。あとは、もう少し体力をつけよう」
『僕は?』
鳴「柚姫は背中が空くことが多すぎるから、後方の修行もやろう。前方に関しては上出来だし、スピードも上がってる」
ナルトのアドバイスは的確だった。
良し悪しをちゃんと言ってくれるし、何より指導が上手い。
サスケは文句一つ言わないし、ナルトの言葉をどんどん飲み込んでいった。
クナイの手入れが終わり、それをポーチに直そうとすると指に痛みが走る。
見てみると、親指の爪がたて半分に裂けていた。
多分、クナイが当たったのだろう。
『ナルト、爪が…』
鳴「見せて」
そう言い、ナルトが僕に近寄った瞬間だった。
突然、地面が盛り上がり、中からゾンビの如く人が現れる。
佐「なんだ!?」
『ゆっ幽霊!!??』
僕を脇に抱えたナルトは、その場からサッと離れた。