忍夢と僕・2

□僕とはすけの大喧嘩
1ページ/7ページ

僕は思うんだ。

人間とは、なぜこんなにも面倒な種族なのかと。

僕は思うんだ。

人間と同類にされるくらいなら、異端でいたほうがよっぽど幸せだと。

僕は思うんだ。

人間は、なぜ善や悪にこだわり、悪を滅することを「正義」だと言うのだろう、と。

善にも悪にも、平等に歴史があり、未来があるのに。

人間は欲張りだ。

幸せな時間を忘れられず、死ぬまで追い求め、幸せになるために不幸者を探し求める。

近くに不幸者がいれば、どれだけ自分が幸せかを感じていられるからだ。

そしてまた逆に、自分は不幸だからと、幸せな者に嫌悪感を抱くものもいる。

すべてが嫌味に思え、すべてが敵に見え、善が悪となり悪が善となる。

人間は「普通」を忘れられない。

口癖のようにそれを言う。

しかし、僕は思うんだ。

そんなモノに縛られながら生きてて楽しいのか、と。

そんなモノに縛られて、本当に大切なものに気づけるのか、と。

そんなモノに縛られて、周りは見えているのか、と。

そんなモノに縛られて、他人の痛みを感じとることはできるのか、と。

それでも、人間には捨てられない「何か」があるのだと学んだ気がする。

それが、悲しいことだとも気づかずに…。

僕は思うんだ。

人間とは、本当に哀れで可哀想な生き物だと。

僕は、先程サスケの顔を思いっきり殴ったばかりだ。

『――っ、この大馬鹿者めが!!』

佐「俺…は……俺はぁぁあ!!」

サスケは、青空を見上げ大声で叫んだ。

さかのぼること、数時間前。

『ナルトよ、素晴らしく眠いぞ』

鳴「…それは今の状況をどうにかしてから言え」

今現在、僕達のクラスは、トラップを避けながらイルカ先生を追うという追跡の授業を行っている。

体術中心で修行をしてきた僕にとって、これはとても難しい。

ましてや、チャクラがない僕は、みんなと違い地面を走るしかないのだ。

羅月を連れて来ようか迷ったが、それだと呆気なく終わってしまい意味がない。

体力もつくだろうと、珍しく頑張ってみようと思い今に至る。

スタート時はサスケも一緒にいたのだが、僕よりも成績を取った裏切り者は、少し後ろを振り返りニヤッと笑うと、トラップを避けながらどんどん先へと行ってしまった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ