忍夢と僕・2

□僕と鬼人の第一歩
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薄暗い部屋の中、ナルトの体から赤い妖気が溢れ出る。

火「――っ、柚姫よ!!近寄るでない!!この禍々しいチャクラはっ…」

火影の制止の声など耳に入るものか。

『(やっと…、やっと会えた!!)』

ナルトに抱きついた僕は、情けなくも泣き叫んだ。

『「「妖狐っ……」」』

唸り声をあげていたが、僕の顔を見るとだんだん目を見開き始める。

妖《「「…柚姫なのか?」」》

『「「遅くなってっ…ごめんっ」」』

妖《「「――っ、お前…記憶がっ…」」》

ナルトの目からも涙が溢れ、体を縛る忌々しい鎖を引き千切ろうともがき始めた。

『「「…人間が――っ、なんてことを…」」』

妖《「「人間共は私に何をしたっ…。思い出せないっ、…何をっ!!あぁぁぁあ!!!!」」》

止めどなく溢れる妖気は、ナルトの体を焼き、目は血のように赤く光る。

『「「落ち着け、妖狐!!こいつの体が持たなくなる!!お前はずっと、心の声を聞いてきただろう!?」」』

皮膚は焼けただれ、肉を焼く臭いが鼻を刺激した。

妖《「「わかっている!!この小僧には何の罪もない!!しかし『「「解決策はある!!…今、赤い眼の男を探しているんだ。だから、もう少しだけ我慢してくれ。…こいつは、初めての人間の友達なんだ。どちら共大切なんだよ…。このままだと、…死んでしまう」」』

妖《「「…――っ…すまない。小僧の命を奪うのは筋違いもいいところだな…。この子には…、重みを背負わせている。守ってやってくれ…」」》

妖気が静まり、ナルトの体の中へと消えていく。

『「「必ず、必ず守るから!!お前も助けだす!!」」』

うっすらと笑った妖狐だったが、すぐに目を伏せてしまった。

妖《「「最後に、柚姫よ…、赤い眼をもつのは…「うちは一族」だ。そ…て、…奴は男…気を……ろ」」》

そう言うと、ナルトの体はガクンと項垂れ、妖気は感じなくなる。

『「「おっ、おい!!妖狐!!…よう…こ…」」』

力なく地面へと座り込んだ僕は、震える体を抑えきれない。

『嘘だ…』

「うちは一族」とは、サスケの一族のことだ。しかし、一族は皆、兄に殺されている。

いったい、どういうことなのだろうか。

火「柚姫よ!!無事か!?九尾の気に当てられおって!!なぜ近づいたのじゃ!!」

『……僕は先に帰る。すまないが、誰か呼んでくれないか?ナルトを頼んだぞ…』

その後、医療班が来てナルトを連れていったが、僕は火影が質問してくる中何も答えることができなかった。
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