忍夢と僕・2
□僕とキバと赤丸
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シカマルとサスケの謹慎処分がとけて、一週間がすぎた。
僕達はまたアカデミーに通い、ナルトが退院してからは、少しずついつもの日々に戻っていき、羅月も無事目を覚ました。
ナルトは、あの時のことを覚えていないらしい。
アカデミーでは、まだあまり良い空気は流れていないが、今ではそれもどうでもいいとすら思っている。
そして今、僕達がどこで何をしているのかというと、山の中でサバイバル演習を行っている真っ最中だ。
三泊四日の、いわば修学旅行。今日はその一日目。
影分身を置いていったナルトは、部下を引き連れ影から僕達を護衛すると言っていた。
病み上がりで心配だが、任務ならば仕方がない。
一昨日に班決めをしたのだが、決め方は自由だった。
僕は誰にも声をかけず、黙って席に着いていたが、やはりと言うべきかサスケは揉みくちゃにされ、それはもう不機嫌だった。
三人一組の班を作るのに、イルカ先生も頭を抱えるほどの時間のかかりよう。
さすがの僕も、呆れてしまった。
しかし、問題が発生。
三人一組だと一人余ることがわかったのだ。
どこか一組だけ四人にするかどうか迷っていたが、イルカ先生曰く、この演習は三人一組じゃないと意味をなさないらしい。
僕達は、いつものように四人で集まっていたため、誰か一人が抜けることになった。
迷わず手をあげたのは僕だ。
たまには、男三人でいるのも悪くないはず。
そんな僕は、イルカ先生とミズキ先生と組むことになった。
ナルトには物凄く文句を言われたが、『何が楽しくて影分身のお前と戯れねばならんのだ』と一言言ってやると、黙ってくれた。
そして、アカデミーに集合した僕達は、それぞれのグループに地図が配布され、自分達で目的地点まで行くこととなった。
サバイバルは僕の得意分野だ。
イルカ先生とミズキ先生が木々を駆ける中、僕は下を走り続ける。
海「柚姫、ついてこれそうか?先生達が早すぎるなら、少しペースを落とすが…」
『いや、構わない』
イルカ先生とミズキ先生は、誰よりも早めに目的地点で生徒を待たなきゃいけないはずだ。
僕に合わせていると、自然と遅くなるのも見えていることだが。
『(仕方ない、羅月を呼ぶか…)』
あまり人前で呼びたくないが、僕のせいで困らせてはいけない。
『「「羅月、出てこい」」』
柔らかい風と共に姿を現した羅月は、僕から一通り説明を聞くとすぐに走り始める。