忍夢と僕・2
□僕とチョウジの肉争奪戦
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サバイバル演習から三日後。
僕達は焼き肉屋に来ている。
メンバーは、僕・ナルト・サスケ・シカマル・チョウジ・イノ・サクラ・キバだ。
保護者として、シカクさん・チョウザさん・イノイチさん。
シノとヒナタは、家の都合で来れないらしい。
この焼き肉、奈良家・秋道家・山中家の奢りだということなのだが、一つだけ納得できないことがある。
『…毎度のことながら、なぜお前がいるんだ!!タマな「柚姫ちゃん!!言うと思ったけど!!…流石にこの場でそのあだ名は…」
確かに、食事の場では不適切なのかもしれないが。
納得がいかないのも、また事実。
そんな僕を見てからか、周りを見渡すと耳打ちをしてくる。
案「…一応、護衛任務でね?シカクさん達がいるから大丈夫だとは思うけど…。総隊長に頼まれちゃったから」
そういうことならば仕方ないが、いちいち僕の隣に座る必要はあるのだろうか。
『わかったから、向こうへ行け』
案「…俺が肉とってあげるから、そんな冷たいこと言わないの」
『仕方がない。思う存分その長い腕を生かせ。…負けるんじゃないぞ』
案「……え?」
というのは、焼き肉屋に入る前、シカマルとイノが教えてくれたことなのだが、チョウジは肉を取るのが物凄く速いらしい。
それはもう、目では見えないほどだという。
毎日カップラーメンを食べている僕にとって、肉はヨシノさんの料理の次に大好物だ。
『(…負けてたまるか!!)』
しばらくすると、店員さんがお冷やを持ってきた。
そして、メモ用紙を取り出しこちらを見る。
営業スマイルが眩しい。
「ご注文はお決まりですか?」
まるで何かの合図とでもいうかのように、立ち上がったチョウジはすごい勢いで注文し始めた。
蝶「待ってましたぁ!!特上カルビ10人前!!タン10人前!!ハラミ10人前!!ロース10人前ぇえ!!」
少し驚いたが、僕も負けじと立ち上がり、チョウジよりも大きい声で注文をする。
『キムチ10人前ぇ!!それとお茶ぁぁあああ!!!!!』
「はっ、はい!!すぐにお持ちします!!」
静まり返るなか、チョウジと目が合う。
見えない火花が散った瞬間だった。
蝶「…なかなかやるね、柚姫ちゃん。だけど、僕には勝てないよ…」
『ふん、キムチを忘れる奴なんかに負ける気がしないね』
蝶「――っ!?…まだまだ、勝負はこれからだ!!」
僕とチョウジは、ゆっくりと腰を下ろす。
『タマな……カカシ、悪いがやはり肉は自分で取る。手出しは無用だ…』
もはや、これは真剣勝負。