忍夢と僕・2

□僕と上忍の極秘任務・1
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火「…柚姫よ、そう頑なに首を横に振らないでくれぬか?どうか頼む…」

『老いぼれめ、しつこいぞ…』

僕は今火影邸にいるのだが、自分の意思で来たわけではない。

演習の授業中に、カカシを含め名も知らぬ上忍達に無理矢理連れてこられたのだ。

そして、拉致を命じたのがまさかのこの老いぼれ。

『…なぜ僕なんだ?下忍にすらなっていないというのに。よく周りを見てみろ。どう見てもカカシ以外の上忍達は納得していないじゃないか』

僕の後ろには、四人の上忍達がいる。

ヒゲが濃いおっさんに、全身緑のタイツ八重歯に、スタイル抜群のお姉様、それにカカシ。

個性豊かすぎると思うのは、きっと僕だけじゃないはずだ。

紅「火影様、彼女の言う通りです。特別優秀だという話も耳にしたことはありませんし…。彼女を推薦した理由はなんですか?」

火「…その子の名は狼神柚姫、アカデミーに通う12歳じゃ。…推薦した理由は自ずとわかる。というのは、あまり話している時間がなくてのぉ…」

そう言い、引き出しから巻物を取り出した火影は、風影からだと言う。

『風影と任務になんの関係が?』

火「というよりは、これに書かれてある内容が厄介であるからなんじゃが…。内容はこうだ…」

【来年度行われる中忍試験に、我が里も参加したく文を送らせてもらった。参加人数は追って知らせる。それから、大蛇丸の使者だという男が接触してきた。木の葉崩しを企んでいるようだ。狙うなら、中忍試験期間中だと思われる。この文は、目を通し次第破棄を頼む】

火「…追伸、柚姫にもう一度礼を言いたい。会える日を楽しみにしていると伝えてくれ。以上…」

『(――っ!?)』

大蛇丸という名を聞いた僕は、無意識に拳を握りしめていた。

奴がどんな人間かを鬼人から聞いているだけに、背筋を伝う汗が気持ち悪くて仕方がない。

火「…柚姫よ、お主が砂の里で何をしていたのかは知らぬが、わしからも礼を言う。砂の里とは関係が危うくなっておったからのぉ…」

『…別に礼を言われるようなことはしていない』

火「お主が風影殿の何かを変えてくれたのは確かじゃよ。そうでなければ、大蛇丸に協力していた可能性も万に一つ考えられたしのぉ…」

あの性格だったらあり得たかもな、なんて思ったが今はそれを飲み込む。

それよりも、大蛇丸のほうが問題だ。

奴は、危険すぎる。
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