忍夢と僕・2
□僕とシリーズ・シカマル視点・2
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12歳になった俺達は、修行が日課になって、アカデミーが復習みたいになっていた。
そんな時。
海「おい!!柚姫、しっかりしろ!!先生を見るんだ!!――っ、誰か!!木の葉病院に連絡してくれ!!」
柚姫が倒れたんだ。
顔がパンパンに腫れていて、軽く白目を向いている。
俺より先に走り出したのはサスケだった。
なぁ、教えてくれ。
いったい何があったんだ?
佐「なんでこんなになるまで手をあげたんだ!!」
猪「だっ、だって…。幼稚とか言うから…」
佐「お前もだ、サクラ!!いらないってなんだよ!!お前に柚姫の存在を否定する権利なんてねぇだろうが!!」
あぁ、そうだ。
イノとサクラがリンチまがいなことをしたんだった。
そんなことをボンヤリと考えながらナルトを見れば、顔面蒼白で体が震えていやがる。
鳴「あっ…あぁ……」
「しっかりしろ、ナルト…」
そう言って、肩に手を置こうとすれば、すごい勢いで叩かれた。
鳴「やめろっ…やだっ…来るなっ……」
佐「シカマル、ボサッすんな!!ナルトは俺が見るから、お前は柚姫をどうにかしろ!!」
どんどん慌ただしくなっていくなか、気がつけば拳を握っていて、情けなくも膝が震えていやがる。
見ちゃいけねぇもんを、見た気がした。
「サ、サスケ…。あれ…」
佐「おい!!聞こえてなか「あれ!!…なぁ、あれなんだよ…」
少しだけ捲れていた服から見えたのは、アバラが浮きでて、腹がパンパンに腫れあがる柚姫の体。
それに気づいたサスケも、顔を青くする。
佐「――っ、あれ…腹か?」
サスケの言葉でナルトも気づいたらしく、血が走ったように目を赤くしながら、柚姫のもとへと走っていった。
その瞬間、吐き気を感じるほどの何かが全身を包み込む。
それは、殺気だ。
そして、腰を抜かしたイルカ先生は、口パクでアレを言った。
あぁ、ただの噂じゃなかったんだ。
そう思わざるをえない状況に、俺もサスケも息を飲むことすら忘れていた。
今、ナルトに声をかけちゃいけねぇ。
声をかけたら、きっと殺される。
そんななか、ナルトに向かって第一声を発したのは柚姫だった。
『――っ、…ナルト、僕は大丈夫だからそんな顔をするな…。それより、抜け出さないか?…もう、喋る…のも、限界なん…だ』
猪「逃げるの!!??」
せっかく柚姫のおかげで、ナルトの機嫌が少しだけ良くなったっつーのに。
馬鹿野郎だ。