忍夢と僕・2

□僕とナルトを見る目
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「柚姫のせいで、火影の気配にすら気づかなかった…」

『人のせいにするな、馬鹿者』

火影の後ろには、羅月の姿が見える。

《「「遅くなってすまなかった。やたら話しかけられてなυ聞いていない振りをするのが、こんなにも疲れるとはυ」」》

ずっと火影邸にいたのなら、鬼人は羅月の元へ行けなかったようだ。

『「「…今後の計画は話せないが、風影は羅月の声を聞いている。火影の前でも人語で喋って構わないよ」」』

黙って頷いた羅月は、火影の前へと移動する。

《…木の葉の里の長、三代目火影よ。我の名は羅月。柚姫と共に、しばらく世話になりたい》

人間の言葉を話す羅月に驚いたようだが、それも一瞬のこと。

「…柚姫と親しく見えるが、知り合いなのか?」

疑いから始めるのは変わらないらしい。

《…そうだ。我は長い間大木に眠っていたが、こうやって大地を歩くには柚姫の力が必要となる。こいつはお前が産まれるずっと前にこの世界に住んでいたが、激しい戦のせいで致命傷を負ってしまってな…》

「なんと……。して、その後どうなったのじゃ?」

《柚姫を失うわけにはいかず、別世界へと飛ばした。そして、ようやく落ち着いた今、再び呼び戻し我を迎えにきてもらったのだ…》

「柚姫以外の者に頼むことはできなかったのか?」

《我は、獣語を話せる者しか信用していない。それができるのは、柚姫だけだ》

「…なるほどのぅ。柚姫よ、だから砂へ出向いたのか?」

『そうだが?』

「…どこから情報を得た?」

『勘、だよ。呼ばれてるような気がして、行ってみたまでだ』

まぁ、嘘だが。

火影は僕が生きた年数を知らないし、この世界に来た本当の目的も知らない。

獣に呼ばれてここまで来たとしか言ってないのだから。

『(ナルトにも、目的までは話せないな…)』

信用がないとかではなく、話せる内容じゃない。

あまりにも事が大きすぎる。

「…ナルトよ、どう見る?」

「俺は別に構わない。柚姫が連れてきたんだ、拒否権なんてないよ」

『我が弟よ!!!!…ということで、火影、お前はさっさと帰りやがれ。年寄りは寝る時間だぞ』

「わかっておるわいυ…それでは、ナルト。後は任せたぞ」

そう言うと、火影は瞬身を使い帰っていった。
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