忍夢と僕・2
□僕とカカシの鬼ごっこ
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地面の中から現れたのは、額あてで片目を隠し、さらには口布で顔が半分見えていない怪しい男。
そいつと目があった瞬間、背筋が凍るほどの何かを感じた。
『(――っ、こいつは…)』
おそらく、火影が監視を任せたカカシという奴だろう。
『…何か用か?』
案「…いやぁね、指大丈夫かなと思って」
『へっ、平気だ!!』
案「そんなわけないでしょ。見せてごらん」
『やめろ!!ぼっ、僕に近寄るな!!』
だめだ、この男は危ない。
僕の第六感がそう告げている。
佐「…お前、誰だ。名を名乗れ」
案「はたけカカシ。ってか、そっちの二人に用はないから。柚姫ちゃんだっけ?傷の手当てついでに、美味しいものでも『くっ、来るなぁぁぁあああ!!!』
やはり、カカシという男だったようだ。
『(監視の者がなぜっ…)』
ナルトの手から離れ、とにかく遠くへと走る。
『(なんなんだ、あいつの目は…。気味が悪い…)』
片目しか見えていなかったが、見透かされているような感じとはまた違う、舐めるような視線だったのだ。
とりあえず人通りが多い木の葉の中心部に逃げた僕は、人混みに入りやっと立ち止まる。
『――っ、はぁぁぁ…、ここなら大丈「見ぃつけた!!」
『(しっ、しまった!!!!)』
カカシは僕の手をギュッと握りしめると、なぜか目をキラキラと輝かせた。
案「はたけカカシ、25歳。歳の差なんて気にしないでね。結婚してちょーだい!!」
『…………は?』
案「ん?だから、結婚。まさか、この俺が一目惚れするなんてねぇ。しかも、11歳相手に。でもね、この際そういうのは関係ないと思うわけよ」
開いた口が塞がらないとは、まさにこういうことを言うのだろう。
僕は腹の底から叫び声をあげた。
『ひっ……ひぎゃぁぁぁああ!!』
手を振りほどき、ある場所目指してまた走る。
それはもう死に物狂いだ。
屋根を飛び移りながら移動するカカシは、また話しかけてきた。
案「ねぇ、今すぐに返事してなんて言ってなぁいよ?…ただ、たまに抱き締めさせてくれれば、しばらくはそれで我慢するから」
そう言うと、屋根から飛び降り僕の目の前に立つ。
『(……でかいぞ、この男…)』
そして、目がキランと光り、バッと腕を広げた。
案「…さぁ!!……さぁぁああ!!」
そのままの格好で勢いよく追いかけてくるこの阿呆に、また悲鳴をあげそうだ。
幽霊より恐ろしい。
『くぅぅるぅぅなぁぁああ!!』
僕が目指した場所、それは火影邸だった。