忍夢と僕・2
□僕とならまるのお使い奮戦記
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鹿「…お前、ナルトの扱いになれてんのなυ」
『ならまるよ、僕をママと呼びたまえ』
またため息をついたシカマルは、サスケを連れて外へと出ていく。
なぜこのズボンじゃダメなのかサッパリわからないが、サスケにぎゃあぎゃあ言われるのは目に見えている。
ナルトが風呂場にいる間に、僕もさっさと着替え、ナルトが出てきてから、シカマルとサスケの所まで行ったのだった。
15分ほど歩いた頃だろうか。シカマルの家に着いた僕は、ふと玄関の前で足を止めた。
『ならまる、鹿を飼っているのか?』
鹿「前にも同じようなことを言われた気ぃすっけど。……なんでわかったんだ?」
『…僕にはわかるんだよ』
シカマルは首を傾げていたが、考えるのも面倒になったのだろう。玄関のドアを開き、僕達を家の中へと案内する。
家に入り、廊下をまっすぐ歩いていくとリビングが見えてきた。台所には、エプロンを着た女の人が立っている。
シカマルの母親だろう。
「いらっしゃい!!よく来たわね。ゆっくりしていってちょうだい」
母親の名は、ヨシノさんといって、とても明るくシカマルと違ってよく笑う人だった。
そして、シカマルとヨシノさんの会話を聞いていてわかったことがある。
どうやら、シカマルは母親に頭が上がらないらしい。上下関係が目に見えてわかる。
「シカマル!!柚姫ちゃん連れて買い物に行ってきてちょうだい。卵を切らしちゃったみたいでねυ……柚姫ちゃん、頼めるかしら?この子を一人で行かせると、毎回帰りが遅くて困るのよυ」
そう言うと、ヨシノさんはシカマルを睨み付けた。
『任せてくれ!!ならまる、行くぞ!!』
「はいはいυったく、めんどくせぇ…」
頼み事をされるのは、守鶴が羅月を見つけるよう僕に頼んだ時いらいだ。
『(…なんか、嬉しいな)』
今までにこんなことがなかった僕は、胸の奥がムズムズと痒くなる。
それと同時に、シカマルが羨ましいと思った。
「タイムセールは19時からよぉ!!」
鹿「げっ!!まぢかよυ柚姫、走るぞ!!」
そう言うと、シカマルは僕の手をとり走り出す。
鹿「すまねぇな!!タイムセールを逃すと、母ちゃんがうるせぇんだよ!!しかも人使い荒れぇしよ!!υ」
『僕はまったく気にしてないから気にするな。むしろ、楽しいぞ?』
鹿「……変な奴」
商店街につくと、僕とシカマルは一度足を止め息を整えた。