忍夢と僕・2
□僕とならまるのお使い奮戦記
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『……なんかお前、一気に老けたな。悩み事でもあるのか?それともなんだ、渋い顔でもすれば女にモテるなんて浅はかな考えを抱いているんじゃないだろうな…』
鹿「馬鹿!!そっちは親父だ!!親父も黙ってねぇで、否定しろっつーの!!」
『………は?』
ゆっくりと体を起こし、辺りを見渡す。どうやら僕は、布団に寝かされていたようだ。
鹿父「こんばんは、柚姫ちゃん。俺はこいつの父親だ。いやぁ、シカマルが女の子を連れてくるなんてな。是非、おぢ様と呼んでくれ」
そう言って微笑むその顔は、シカマルそのもの。髭と傷がなければ違いなどないも等しい。
『…遺伝子とは謎だ。ここまでそっくりさんが産まれるものなのか?…おぢ「やめぇ!!マジで呼ぶんじゃねぇよυったく、めんどくせぇυ…それより、大丈夫か?」
『あぁ、迷惑をかけてしまったな…。それよりも卵は無事か?』
鹿「卵の心配なんていらねぇよυ…まぁ、一個割れちまったけど、ちゃんと渡したぜ」
『そうか…』
父親の名前は、シカクさんというらしい。おぢ様という名がピッタリな気がするのは、僕だけだろうか。
僕は、さ行が苦手だからシカクさんとは呼びにくい。
ならまる2号と呼ぶわけにもいかないし、ここは本人が希望するおぢ様と呼ばせてもらおう。
シカクさんは、僕の頭に手を置き触診を始める。
鹿父「…よし、あまり腫れてはいないようだな。吐き気や頭痛はするか?」
『いや、もう平気みたいだ。布団まで出させて申し訳ない…』
鹿父「いいんだよ、そんなことは。それより、体を動かせそうならリビングに行こう。ヨシノもナルトもサスケも、柚姫ちゃんのことを心配していたからな。顔を出してやってくれ」
『了解した!!』
布団を片付け、足早にリビングに向かう。
戸を開け、すぐにナルトとサスケと目が合った僕は笑顔になった。
『今起きたぞ!!心配かけてすまなかったな…』
鳴「――っ、…よかった。もう大丈夫なんだな?」
佐「ったく、シカマルが血相変えて帰ってくるもんだから、何事かと思えば……。何やってんだ、お前はυ」
『いっ、猪と事故にあってな…』
三十路とモロにぶつかり気絶したなんぞ言いたくない。
特にサスケには。
鹿「くっ…くくっ…」
シカマルは、笑いをこらえながら椅子に腰をおろす。
鹿「たっ、確かに…くくっ……ありゃあ、猪だな!!」
シカマルに殺気を放ちながら、僕は台所にいるヨシノさんの元へと逃げた。
サスケはなかなか勘が鋭い奴だ。あの場にいると、ボロが出てしまいそうになる。