忍夢と僕・2

□僕とシリーズ・カカシ視点・1
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火「…柚姫は、自ら来たのではなく連れてこられたと言っておった。それから、名のつく森はあるか、と聞いておったのぉ…」

「それが、死の森にいた理由ですか?」

火「恐らく…。なんのためかはわからぬが、これだけではない。…ここに来る前、あの子は両親に捨てられたと言っておった。獣語という、動物間で使用される言葉を喋れるらしくての。それが原因らしいんじゃが……」

こんなことを俺に話すということは、確信がなく疑っており、火影様自身も信じていいのか悩んでいるからだろう。

「あの子を信じてはいけません…」

火「わかっておる。…今のところは、ナルトが一人でないということが一番。あとは様子を見るしかなさそうじゃな…」

「申し訳ありませんが、俺に言わせれば、ナルトのそばに居ること事態許可すべきではありません!!先生の…、四代目火影の大切な遺産ですよ!?」

しばらく沈黙が続いた。

確かに俺は、誰でもいいからナルトのそばに居てくれればいいと願った。

しかし、何者でもないと言われるような得体の知れない奴であるならば、話は変わってくる。

火「監視はつける…」

その日、これ以上の会話はなかった。

何も言えなかった俺は、自宅へと帰り色々と考えてみたが、思い浮かぶのはいつも通り見守る事だけ。

誰が監視に就くのかはわからないが、どうかちゃんと見ててほしい。

よそ見せずに、しっかりと。

そう願い、ゆっくりと眠りについた。

それから、また月日は流れ2年と少し。

前と違って、今では暗部の仕事も落ち着き、上忍としての任務もこなせるようになった。

前総隊長が解雇となり、新しい総隊長が就任したのだ。

彼の暗部名は空といい、たった3年で総隊長まで上りつめ、暗部の仕組みを根底から変え始めた。

空総隊長は、四代目火影を思い出させるほど強く、そして仲間思い。

いつのまにか、四代目火影の遺影と呼ばれるようになり、気がつけば、俺も彼の背中を追いかけていた。

相変わらず、任務は体力を削るが楽しくて仕方がない。

もう一つ、柚姫はまた更に綺麗になった。

あの後も、何度か火影様に反対していた俺だけど、ナルトが笑っている姿を度々見かけるようになり、今となっては感謝している。

いや、感謝以上の感情を持つようになった。

頭では否定しているが、どうも体が言うことを聞かない。

里内で見かければ無意識に目が追っているし、任務中も考えてしまうことがある。

かなり重症かもしれない。

そして今日も、任務が休みなのをいいことに俺は彼女を探していた。

しかし、彼女の姿はどこにも見当たらない。

と言うより、ここ一週間一度も姿を見かけないのだ。

ニオイもチャクラもない彼女を見つけるのは中々難しいが、銀に紫がかった髪がある。

それを目印に、いつも探しているのだが。

「(…やっぱり、どこにもいないな)」

今日も諦めて、家へと引き返し始めた。

家につき、特に何もすることがなくすぐにベッドで横になる。

まだ夕飯を食べるには早い。

一眠りしようかと考えているその時だった。

窓をこつく音がし、起き上がると、そこには召集を呼びかけるための忍鳥の姿。

しかも、暗部専用のだ。

何かあったのかと、俺は急いで暗部着に着替え、面を着用し火影邸へと急ぐ。

途中、仲間と合流し聞いてみたが、理由はわからないらしい。

火影邸に着くと、全暗部が集まっていた。
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