忍夢と僕・2
□僕とシリーズ・カカシ視点・1
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森の中を素早く移動し、目的地に急ぐ。
そして、半分ほど進んで初めて休憩をとった。
「ここで一休みしよう。…警戒は怠るな」
今回の任務で部隊長を任されたが、この台詞は空総隊長のパクリだ。
疲れている仲間も、自然と笑いが溢れる。
「空総隊長は、今頃何をなさっているのだろうか…。また時間があれば、拷問について語りたいものだ」
「あんた馬鹿?あのお方は私達よりも忙しいに決まっているじゃない。…疲れていたんでしょうね。前に、みたらし団子をあげたらすごく喜んでいたわ」
「団子って…。お前、食べない日はないのか?υ」
「あんたこそ、拷問から少し離れたらどうなのよ。それ以上体に傷つくってどうする気?空総隊長に心配かけんじゃないわよ、まったく!!」
空総隊長は、仲間一人一人と付き合いを持っている。
誰も正体は知らないが、言えるのは、皆彼のことが好きだということ。
「早く任務を終わらせたいものだ。報告して、良し悪しを言ってもらわんとな」
「それそれ!!空総隊長が就任してから、次の任務の成功率や、暗部の死亡率も変わったのよね。それに、たまに子どもっぽい所もあるけど、またそこが可愛いのよ!!」
確かに、空総隊長はたまに子どもっぽい。
面を上に半分だけずらし棒キャンディーを舐めていたり、仮眠の時は丸まって寝たりと微笑ましい姿を見れる時がある。
「まっ、そんな総隊長だから俺達はやる気がでるんですよ。…じゃ、行きましょうか…」
その後、4日ほどかけて目的地に到着し、無事任務を遂行させた俺達は、後片付けをしすぐに木の葉に向かう。
体に浴びた返り血を拭きながら、突然アンコさんは不気味にわらいだした。
「そういえば、今思い出したんだけど…。前に、空総隊長が単独任務に就いたとき、火影様が念のためにということで増援を送ったことがあったのよ。私も行ったんだけど、なんか不思議なものを見たのよね…」
「何を見たんだ?」
「空総隊長の隣に誰か居たのよ…。しかも、死体の口から青白い筋のような物が出てきて、そいつの口の中に入っていってさぁυまぁ、瞬きしたら居なくなってたから気のせいかもしれないけど…」
「…お前、霊でも見たんじゃないか?υ」
「……え?」
怖い話をした本人が一番怖がっているのに呆れたが、こういう話はなしの方向にしてもらいたい。
俺も怖いから。